2014年2月8日、東京都心は45年ぶりに積雪が25センチを超えるなど、近年にない大雪に見舞われました。その大雪の中、自転車通勤をしていた筆者は、「ファットバイク」と「電動アシスト自転車」が30センチ以上雪が積もった道路を走行しているのを目の当たりにしたのです。

「雪が降ったら、自転車は滑って危ないのでは?」


そう思っている人は多いでしょう。筆者もそう思っていました。でも実際は、ある程度以上の雪が積もると自転車は滑ったりせず、むしろペダルが重くなって前進できなくなるのです。筆者は途中でペダルを漕ぐのを諦め、約2時間自転車を引いて帰宅しました。そんななかでも、宅配便業者の方の電動アシスト自転車と、太いタイヤのファットバイクだけは、深い積雪の中を走行できていたのです。

カナダの Biktrix は、電動アシスト付きのファットバイク「Juggernaut」を開発しました。これは、もともと雪に強いファットバイクに電動アシスト機能を取り付けた、雪の日の自転車通勤に最適の一台です。


「Juggernaut」 は、4インチ幅の極太タイヤを持つ自転車。山道や砂浜も走れる高い走破性を持っています。でもファットタイヤの転がり抵抗は高く、タイヤ自体も重いため、通常の自転車よりペダルが重いと感じるのも事実。これをモーターでアシストすることで、27キロの車重(バッテリー含む)を意識しない、軽快な走行を可能にしています。


搭載されるモーターの出力は500W と通常の電動アシスト自転車用モーターの約2倍。このモーターに48V 11.6Ah のバッテリーを組み合わせ、1回の充電で50~60キロ程度の距離をアシスト可能としています。


「Juggernaut」のコントロールは、ハンドルバーに取り付けられた LCD パネルで行います。パネルには、走行速度、走行距離、アシストレベル、バッテリー残量などが表示されます。


今度の冬に東京で大雪が降るのかどうかはわかりませんが、でも、もし大雪で電車が止まったときは、この「Juggernaut」が最適な通勤手段となるかもしれません。もちろん、無理は禁物だし、安全第一ではありますが、普通の自転車より安全に走行できるのは間違いないでしょう。


Biktrix は現在、「Juggernaut」の市販に向け、kickstarter で出資者を募集しています。資金調達に成功した場合、2015年5月頃の出荷を予定。小売価格は2,800カナダドル(約29万円)ですが、kickstarter で1,809カナダドル(約18万7,000円)出資することでも入手可能です。