アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで、フェラーリの新型 R&D プログラム用車両「FXX K」が公開される。実験車両であるこのモデルは、マラネッロ初のハイブリッド・モデルがベース。車名の「K」は、サーキットでのパフォーマンスを最大化させるために搭載したエネルギー回生システム「KERS」に由来している。


FXX K は、レースなどの競技に出場することのない、技術革新のみを追求して開発された車輌。限られたオーナー・テスト・ドライバーに、これまでに例のないドライビング・エクスペリエンスを提供する。

フロント部を占めるのは2つの特徴的なスポイラーと、中央に段差のある大型スプリッター。これは30mm 低い設計になっている。2組の垂直パーツ、エンド・プレート、外観上のダイブ・プレーンは、垂直フィンとともに車体側面の空気の流れを促進させ、縦方向の渦を発生させて局部的に負圧を発生させる。これによって、ホイールで発生する乱気流をエアロダイナミック・アンダーボディの外へ吸い出す。サイド・シルから飛び出したサイドスカートに沿って、この乱気流がアンダーボディからの空気の流れを遮断してエアロダイナミクス効果を向上させている。


車体後部にも先進的な技術を採用。テール・セクションは、モバイル・スポイラーの展開によってさらに最大60mm 高くなる。テール両端の垂直フィンとウイングレットは、低ドラッグ・セッティングの際はガイドベーンとして働き、より高いダウンフォースが求められるシーンではスポイラーとして機能する。このシステムは同時に、車輌後部に充分なダウンフォースを発生させるもの。リア・ディフューザーに充分なボリュームを持たせることで、ボディ下面からの気流の引き抜きを最適化する。リアホイールより前方、ボディ下面のフラットボトム部分は、ダウンフォースの発生に大きく貢献。ホイール・アーチから車輌後部にダイレクトで接続されているバイパス・ダクトによって、ホイール・アーチ内部の圧力を下げていることも、ダウンフォースに寄与している。


これらの結果、低ドラッグセッティングで50%、よりアグレッシブな高ダウンフォースセッティングでは30%もダウンフォースを改善させ、速度200km/hで540kg という数値を達成した。


縦方向、横方向、そして回転方向の加速度センサーと温度センサー、空気圧センサーを組み込んだピレリ・スリックタイヤの採用によって、車輌の運動性能は格段に向上した。これらのセンサーによってタイヤと路面との相互関係を正確に分析することが可能となり、トラクションコントロール・システムが最高の性能を発揮するためのより詳細なデータを得ることが可能となる。


■技術諸元(抜粋)

・KERS
 総合最高出力:1,050cv
 総合最大トルク:900Nm
 V12 最高出力:860hp@9,200rpm
 最大回転数:9,250rpm
 V12 最大出力:750Nm@6,500rpm
 電気モーター出力:140Kw(190cv)

・ICE
 タイプ:65°V12
 ボア×ストローク:94x75.2mm
 総排気量:6,262cc
 比出力:137cv/L

・サイズ
 全長:4,896mm
 全幅:2,051mm
 全高:1,116mm
 ホイールベース:2,665mm

・ギアボックス
 7速:DCT