かつて英国ロンドンの地下を走行していた「郵便電車」。現在は廃止されているこの電車が2019年に観光電車「Mail Rail」として生まれ変わる。

観光電車「Mail Rail」イメージ画像
観光電車「Mail Rail」イメージ画像

郵便電車は、渋滞による郵便物の遅配を減らす目的で1914年に建設が開始されたもの。運用開始当時は、世界唯一の自動運転電車だったという。郵便事業の最盛期には、1日に19から22時間走行し、約400万通を超える手紙や小包を運んでいたが、多くの市民はその存在さえ知らなかったそうだ。


かつてロンドンの地下を走行していた郵便電車
かつてロンドンの地下を走行していた郵便電車

郵便電車は E メールの普及に伴って過去の遺物となり、2003年には廃止された。現在計画が進んでいる「Mail Rail」は、この郵便電車の廃線の一部を観光電車として一般に開放するもの。全37キロにおよぶ路線のうち約1キロほどの部分を、約15分で走行する。客車は2両編成で1回に21人の乗車が可能。1日に400人程度の観光客を乗車させる予定となっている。

かつて走行していた郵便電車の路線図  「Mail Rail」は、このうちの一部を走行する
かつて走行していた郵便電車の路線図
「Mail Rail」は、このうちの一部を走行する

都市の地下に一般市民の知らない世界があると聞くと、ワクワクしてしまうもの。たとえその正体が郵便配達用の空間だったとわかっていても、それでも興味は尽きない。「Mail Rail」がオープンしたら、日本からこの観光電車目的で訪れる人も現れるのではないだろうか。