「自転車で走行しながら音楽やポッドキャストを楽しみたい」

これは多くのサイクリストの、特に自転車に乗っている時間が長い自転車通勤者の願いです。いまどき、カーステレオのついていないクルマなんてありません。なのに、自転車で音楽が楽しめないのは、アンフェアというべきでしょう。

今日は、自転車での通勤時間を少しだけ楽しくしてくれる、自転車用スピーカーを紹介します。

■ハンドルバーに取り付けるスピーカー「Cruiser」

音楽が好きなサイクリストが最初に購入を検討する製品は、ハンドルバーに取り付けるタイプのスピーカーではないでしょうか。例えば、NYNE Multimedia の Bluetooth 対応スピーカー「Cruiser」などです。

Bluetooth 対応スピーカー「Cruiser」
Bluetooth 対応スピーカー「Cruiser」

「Cruiser」は、なかなかの優れ物。音質も悪くないし、周囲がかなりうるさい場合でも、音ははっきりと聞き取れます。

Bluetooth 対応なのもマル。ポケットやリュックに入れた音楽プレイヤーやスマートフォンと簡単に接続できます。ケーブル接続タイプだと、ケーブルが外れて、チェーンやタイヤに巻き込まれることもしばしば。その点、「Cruiser」ではそのような心配は無用です。

音質は良好  Bluetooth 対応なのもうれしいところです
音質は良好
Bluetooth 対応なのもうれしいところです

でも、このタイプのスピーカーには致命的な欠点があります。それはスピーカーから流れる音が、サイクリスト本人だけでなく、周囲の人にも聞こえてしまうこと。それも、かなり盛大に聞こえてしまいます。

例えば交差点で停止したとき、隣のバイクライダーにぎょっとされることがあります。信号待ちをしている歩行者から「選挙ですか?」と尋ねられてしまうことも。かなり小さな音で聞いているつもりでも、そのようなことが起こってしまいます。

このため「Cruiser」は、自転車通勤者が都心で使うには、あまり向いていないようです。

その他、Beats のスピーカーなども試してみたのですが、結果は同じでした。

Beats のスピーカー  これも都心部での利用には向きません
Beats のスピーカー
これも都心部での利用には向きません

■着るスピーカー「SONIC WALK Lightning」

次に紹介するのは、「SONIC WALK Lightning(ソニックウォーク ライトニング)」。これはいま流行りの“ウェアラブル”デバイスで、「着るスピーカー」を謳う製品です。

着るスピーカー「SONIC WALK Lightning」
着るスピーカー「SONIC WALK Lightning」

今回購入したのは、ポケット付きのハーネスタイプ「901」と、ショルダーバンドタイプの「301」。さて、これを装着すれば、自転車で走りながら、安全に音楽を楽しめるでしょうか?

◆「SONIC WALK Lightning」の構造は?

「SONIC WALK Lightning」は、ショルダーバンドに「バッテリー内蔵のアンプ」と「スピーカー2個」が取り付けられた製品。Bluetooth 接続機能などは付いていません。音楽プレイヤーとは35mm ステレオミニプラグで接続します。

「SONIC WALK Lightning」は、ショルダーバンドに  「バッテリー内蔵のアンプ」と「スピーカー2個」が取り付けられた製品
「SONIC WALK Lightning」は、ショルダーバンドに
「バッテリー内蔵のアンプ」と「スピーカー2個」が取り付けられた製品

◆音は?

音質は1970年代のラジカセやカーステレオのレベル。「Cruiser」と比較すると、芯がなく、スカスカした音がします。サイズを考えれば当然ですが、低音はまったくでません。

「SONIC WALK Lightning」に装備されたスピーカー  このサイズなら、低音がでないのも仕方ない?
「SONIC WALK Lightning」に装備されたスピーカー
このサイズなら、低音がでないのも仕方ない?

クラシックやジャズを聴きたいという方には、この製品は向いていないでしょう。でもボーカル中心の J Pop などであれば、それなりに楽しめるかもしれません。また、トーク系の Podcast やラジオ番組を聴取するのであれば、十分に使えます。

◆「901」と「301」はどう違う?

ポケット付きのハーネスタイプ「901」は、左右にウエストバッグが取り付けられたタイプ。右側のポケットにはプレイヤーやスマートフォンを収納します。左のポケットには財布などを入れるとよいそうですが、実際に入れると重くて肩がこるので、何も入れない方が良いでしょう。

ハーネスタイプ「901」装着時(背面)  ポケットが、重いのが難点です
ハーネスタイプ「901」装着時(背面)
ポケットが、重いのが難点です

ショルダーバンドタイプの「301」は、タスキ型のタイプ。「901」より軽量で、装着していてもあまり気になりません。とにかく、軽いのがメリットです。

タスキ型の「301」 
タスキ型の「301」 

軽量なのが特徴です
軽量なのが特徴です

では、「901」と「301」ではどちらが自転車での利用に適しているでしょうか?この勝負は、軽量で装着しやすい「301」に軍配があがります。

「301」では、電源スイッチやボリュームなどが操作しやすい位置にあるのもプラス。「Cruiser」ほどではないにしろ、「SONIC WALK Lightning」でも、周囲の人に音が聞こえてしまいます。交差点などでは、一時的に音を止めたいことも。そんなときに、この操作性の高さはありがたく感じます。

電源スイッチやボリュームが操作し易い場所にあるのもメリット
電源スイッチやボリュームが操作し易い場所にあるのもメリット

ただし、音質に関しては「901」の方がやや上。これは恐らく、スピーカーのサイズのせいでしょう。「901」の方がスピーカーサイズが大きく、作りもしっかり。その分、しっかりした音がでます。

「901」(左)と「301」(右)のスピーカーサイズ比較  「901」の方がサイズが大きく、ほんの少しだけ良い音がします
「901」(左)と「301」(右)のスピーカーサイズ比較
「901」の方がサイズが大きく、ほんの少しだけ良い音がします

■秋の『ワイド FM』が楽しみ!
今年の秋には、AM ラジオの番組を FM ラジオで受信する『ワイド FM』がスタート。これにより、野球中継を FM ラジオで聞けるようになります。音楽プレイヤーの中には FM ラジオ機能を搭載しているものもあるので、会社からの帰り道に、自転車で野球の試合を楽しむことも可能に。そんなとき、「SONIC WALK Lightning」があると便利かもしれません。

FM ラジオは、イヤホンケーブルをアンテナとしているものが多いのですが、「SONIC WALK Lightning」のケーブルはかなり短め。アンテナとしてはほとんど機能しません。FM を聴取する場合には、延長ケーブルを利用すると、安定して受信できるようになります。

延長ケーブルは、100円ショップのもので十分でした
延長ケーブルは、100円ショップのもので十分でした

■スマート自転車にも期待

ソニーはスマート自転車「XPERIA Bike」を、そして Google は「Google Bike」を開発しているといううわさがあります。これらのスマートバイクの特徴は、ハンドルバーにサイクリストの耳元で音像を結ぶスピーカーが組み込まれていること。このような自転車が販売され、他の自転車にも同様のスピーカーが安価で搭載されるようになれば、サイクリストがもっと手軽に、かつスマートに音楽を楽しめるようになるかもしれません。でも、それまでは、既存の製品をうまく活用して音楽を楽しみましょう。

もちろん、安全第一で!