北陸新幹線をイメージした電気推進船「fugan(ふがん)」。富山市の運河を航行する美しい姿を、メーカーである常石グループのツネイシクラフト&ファシリティーズが公開している。


富山市は、明治時代から続く運河の街でもある。市の中心部から海辺の岩瀬港へとつながる「富岩運河」は古くは木材などの運搬に使っていたが、現在は公園などを配して市民の憩いの場となっている。


fugan は富山県と富山市が共同運航する運河クルーズ「富岩水上ライン」の旅客船。市内の環水公園から中島閘門を通り、岩瀬港までを結ぶ。


操舵室の窓ガラスに北陸新幹線と同じ曲面ガラスを施工しており、さらに常石グループの技術で素材のアルミニウムを加工し、船体を流線形のデザインに仕上げている。


ただ、fugan の特徴はすらりとした造形だけではない。鉛蓄電池を推進電源とし、エンジンを使わない。騒音や振動が少なく、排気ガスを排出しないため匂いによる船酔いになりにくい。航海速力は4.0ノットとなかなかだ。

また船体上部には太陽光発電システムを備え、そこで作った電気を照明などの一般電源に供給できる。



fugan は北陸新幹線の開通に合わせて3月に就航したばかり。今日も乗客を運河の旅に案内している。