MB&F の創業者マキシミリアン・ブッサー氏は、カーデザイナーに憧れていた人物。「HMX」は、同氏のスーパーカーに対する思いが溢れたデザインとなっている。全体のフォルムは流線形をしたスーパーカーのサイドボディ、正面のガラス部分はボンネット、そしてサイドから見る文字盤部分は、スピードメーターにインスパイヤされたものだ。
「HMX」の最大の特徴は時刻の表示方法にある。一般的な腕時計の文字盤の位置ではなく、ボディサイドに時刻と分を表示する領域があるのだ。これにより「HMX」利用者は、時刻を見るときに自動車のスピードメーターを覗き込む気分を味わえる。
文字盤自体は時計のトップ位置に上向きで取り付けられている。だが、その数字は鏡文字になっており、プリズムを通すことで正常に読める仕組みになっている。ボンネットの位置(通常の時計の文字盤の位置)は、外部からの光を取り込む役割を果たす。
「HMX」のテーマは、「A creative adult is a child who survived(創造的な大人とは、厳しい現実を生き延びた子供のことだ)」。この時計をデザインしたマキシミリアン・ブッサー氏自身と時計の購入者が、子どもの頃は誰もが持っていた“センスオブワンダー”を失うことなく、大人と呼ばれる年齢まで“生き延びた”人たちであることを示している。
「HMX」のカラ―バリエーションは、「ロータスブラック」「フェラーリレッド」「ブガッティブルー」「ブリティッシュレーシンググリーン」の4種類。各20個の限定販売となっている。
MB&F はその他、同じテーマ(「A creative adult is a child who survived」)を持つ置時計「Melchior」も発表している。こちらは99個の限定販売。