鳥か、飛行機か、いやケーブルカーだ。6月中旬に新聞やラジオなどで話題になったのが、ヘリコプターが大きな金属製の車両をぶらさげて運搬するというパワフルな光景。しかも場所は日本。神奈川県の大山観光電鉄で起きたできごとだ。

なんて力持ち!(写真提供:大山観光電鉄)
なんて力持ち!(写真提供:大山観光電鉄)

大山観光電鉄が運行する「大山ケーブルカー」は、丹沢大山国定公園の急な斜面を登り降りし、山上の神社への参詣やハイキングの客などが利用している。

この路線で50年前から働いてきたのが緑の「おおやま号」と赤の「たんざわ号」。5月にとうとう引退し、新型車両と入れ替えることになったが、なにせ場所は山の中とあって簡単には運び出せない。そこでヘリコプターを使おうという訳だ。

大任を果たすため選ばれたのは、ロシア製「カモフ Ka32A11BC型」。民間用としては珍しく最大5トンもの荷物を運べる力持ちで、アカギヘリコプターが所有している。普段は土木用の重機などを搬送している。

これがカモフ、とてもパワーがある(写真提供:アカギヘリコプター)
これがカモフ、とてもパワーがある(写真提供:アカギヘリコプター)

しかしカモフがいかに力持ちとはいえ、おおやま号、たんざわ号はどちらも古くて重い車両。さすがにそのままでは運べない。技術者が山上で軽量化するなどの工夫をして、やっと離れ業を成功させた。

車体を軽量化し、分離(写真提供:大山観光電鉄)
車体を軽量化し、分離(写真提供:大山観光電鉄)

ヘリで運べるように!(写真提供:大山観光電鉄)
ヘリで運べるように!(写真提供:大山観光電鉄)

こうして、おおやま号は無事山を降りた。6月中にはたんざわ号も同様に運び出される。さらに、10月から運行する新型車両もやはり同じ方法で搬送するのだとか。ちなみに新型車両もヘリコプターで運べるよう、5トン以下の重さに抑えられているらしい。
 
10月から運行する新型車両もヘリで空を飛んで到着する予定(写真提供:大山観光電鉄)
10月から運行する新型車両もヘリで空を飛んで到着する予定(写真提供:大山観光電鉄)

重さは1台5トン以下(写真提供:大山観光電鉄)
重さは1台5トン以下(写真提供:大山観光電鉄)

ともあれ、あと何回かは大山の空をケーブルカーが飛ぶことになる。なんともダイナミックな話である。

ちなみに大山観光電鉄では、50年ぶりのケーブルカー刷新を記念して、イベント「粋な、大山」を開催中。その一環として新型車両の青空工場見学会も7月10日、11日、8月6日、7日に実施する予定だ。定員制で、事前に電話で問い合わせるよう案内している。