カナダトロントに本拠を置くDaymakは「Photon」を開発した。これは、スピーカー、FMラジオ、スマートフォン接続機能、USB充電機能、盗難防止機能が搭載された電動キックスケーターだ。だが最大の特徴は、太陽電池で発電し、その電力で走行するという点にある。

太陽電池で発電し、その電力で走行する電動キックスケーター「Photon」
太陽電池で発電し、その電力で走行する電動キックスケーター「Photon」

「Photon」は近距離移動に特化した乗り物。大学のキャンパスや会社の倉庫内などでの移動に適した乗り物として開発された。また、公園などで走行を楽しむこともできる。


「Photon」は近距離移動に特化した乗り物  大学のキャンパス内移動や
「Photon」は近距離移動に特化した乗り物
大学のキャンパス内移動や

倉庫内での移動向けに開発された
倉庫内での移動向けに開発された

「Photon」にはBluetoothスピーカーが搭載されており、このスピーカーでスマートフォンやMP3プレーヤー内の音楽を鳴らすことができる。FMラジオが内蔵されているので、プレーヤーなどが無くてもラジオの音声を楽しむことが可能だ。

「Photon」にはBluetoothスピーカーが搭載されている  こんな足元で音楽を鳴らして、耳まで届くのか?という疑問は残るが…。
「Photon」にはBluetoothスピーカーが搭載されている
こんな足元で音楽を鳴らして、耳まで届くのか?という疑問は残るが…。

盗難防止装置は、スピーカーを活用したもの。何者かが「Photon」を持ち逃げしようとして勝手に動かしたとき、スピーカーからは警告音が鳴り響く仕組みになっている。盗難防止装置のオン/オフは、スマートフォンからコントロール可能だ。

だがなんといっても「Photon」の最大の特徴は太陽電池が取り付けられていることだろう。幅13センチ、長さ30センチのこの太陽電池は、最大電圧28ボルト、最大電流0.23アンペアを発生し、内蔵バッテリーを充電する。「Photon」を明るい場所(曇り~晴天)に約17時間置いておけばバッテリーは満充電され、約10キロの移動が可能だ。最高速度は時速15キロとなっている。

太陽電池は約17時間で内蔵バッテリーを満充電可能
太陽電池は約17時間で内蔵バッテリーを満充電可能

太陽電池で発電してそのエネルギーで走行するというアイディアは昔からあるもの。だが、太陽光で走行するには、大きなサイズの太陽電池の装着と、乗り物本体の軽量化が要求される。このため、特殊な形状を持つ太陽電池車のレースなどが盛んになった現在でも、太陽電池で走行する乗り物は実用化されていないのが現状だ。

「Photon」は太陽電池やバッテリーも含めて重さわずか17キロの小型軽量キックスケーター。この軽さが、太陽光での走行を現実のものとした。また「Photon」は、一般的なキックスケーター同様、足で地面を蹴って走行することも可能だ。万が一バッテリーが切れてしまった場合は、人力で移動できる。これは、電動バイクや電動自動車では実現できない、キックスケーターならではのメリットといえるだろう。

「Photon」はわずかなスペースに格納可能  バッテリーが切れたら、友だちや家族にクルマで迎えに来てもらうこともできる  
「Photon」はわずかなスペースに格納可能
バッテリーが切れたら、友だちや家族にクルマで迎えに来てもらうこともできる

バッテリーは「Photon」を走行させるだけではなく、USBケーブル経由でスマートフォンなどを充電することも可能だ。

スマートフォン充電イメージ
スマートフォン充電イメージ

販売開始は2015年9月頃の予定。価格は375カナダドル(約3万5,500円)、日本への送料が別途80カナダドル(約7,580円)必要となる。


なお、「Photon」は日本では私有地内などでしか走行できない。公道を走行するには灯火器やミラーなどを取り付け、ナンバーを取得する必要がある点には留意されたい。