山を駆ける姿は実際、忍者めいている
山を駆ける姿は実際、忍者めいている

群馬県の浅間山麓、起伏に富んだ地形を、重さがないかのような敏捷(びんしょう)さで駆け回る大きなクルマの姿。トヨタ自動車の高級車ブランド「LEXUS(レクサス)」のSUV「LX」だ。

去る10月24日に、群馬県嬬恋村、浅間牧場周辺で自動車イベント「浅間モーターフェスティバル」が開催。山麓の地形を生かし、レクサスLXの走破性を体験できると聞いて、えん乗り編集部は出かけて行った。

晴天に恵まれ、紅葉も美しい軽井沢から浅間火山博物館へクルマを走らせ数十分。会場に到着すると、すでに山の木々に負けない色とりどりのクルマで一杯。駐車場で繰り広げられるジムカーナや、各メーカーの代表モデルが並ぶ展示場も興味を惹かれるが、目的はあくまでレクサスLXの試乗だ。

LFAなどを使ってプロドライバーが和気あいあいとジムカーナもやっていました
LFAなどを使ってプロドライバーが和気あいあいとジムカーナもやっていました

レクサスLX(LX570)は、国内では9月から販売が始まった。海外市場で活躍している前モデルも含めると3代目にあたる。「LAND CRUISER(ランドクルーザー)」と共通する技術を採用しつつレクサスらしい内外装に仕上げている。エンジンはV型8気筒DOHC、最高出力277kW(377PS)/ 5,600rpm、最大トルク534N・m(54.5kgf・m)/3,200rpmで、ランクル由来の走破性の高さも備えつつ、高級感を打ち出した。

ランクルとお顔が違います
ランクルとお顔が違います

リアはこう
リアはこう

今回「LEXUS AMAZING EXPERIENCE OFF-ROAD EXPERIENCE」という、世界で活躍するプロのラリードライバーによるLXのオフロード走行に同乗できるアトラクションが24日、25日限定で実施。最近は街乗りでも人気のあるSUVだが、やはり山野の乗り心地を味わいたいという人向けだ。

同乗が始まる前に時間があったので、LXに近づいてしげしげ眺めてみる。第一印象は兎に角大きく重厚。海外で人気が出るのも分かる巨人のクルマだ。浅間モーターフェスティバルの会場には色違いのLXが何台も並んでおり、何だか自分が随分小さくなったように感じた。

荒れ道を行くとあってヘルメットを受け取り、しっかりとかぶってから、いよいよ実際に車内に入る。アイポイントが高く、今度は自分が急に大きくなったように感じる。もちろん足元のようすもカメラと車載ディスプレイで分かるのだが、とにかくフロントガラスごしに眺める景色が、小型車などとはまるで違う。

高そう
高そう

「こういうところでこういうクルマに乗るのは初めてですか?それじゃあ面白い体験ができますよ」

ラリードライバーはにこにこと告げ、さっそく出発。坂を進みながら一気に80km/h以上に加速し、記者は目を白黒させる。不思議だったのは、止まっている姿を外から見ていた際はどっしりしていたLXが、走行中の車内ではまるで羽のように軽やかに感じたことだ。

「まるで軽四駆みたいでしょう?車体もずっと大きいし、重さもはるかにあるのに、少しもそう感じさせない」

激しい運転をしながらラリードライバーが相変わらずほがらかに話しかけるが、記者はもう懸命に相槌を打つばかり。やがてルートの途中で急な石段に出くわす。一時停止して今度は何をするのかと思えば、不思議な質問が出る。

階段、ですね
階段、ですね

「階段、クルマで登った経験ありますか?」
「は?ありませんが」
「じゃあ経験しておかないと」

なんとLXが石段をするすると登り始める。力ずくで強引に這い上がるというのではなく、本当に平然といったようすで登っていくのだ。

「次は降りてみましょうか」
「アッハイ」

007の映画とかでたまに見ますけど
007の映画とかでたまに見ますけど

余裕しゃくしゃくすぎでした
余裕しゃくしゃくすぎでした

続いて急な段差を降りていく。これまた恐る恐るではなく、とことこといった気軽さなのだ。山の中で輝く大きな車体が斜面を自在に上り下りするのを目にしたら、昔の人は、いや現代人だって天狗の仕業かと思ってしまいそうだ。

「それじゃダートに行きましょう」

凸凹した道を濛々とした土煙とともに走るLX。細かいコーナーをくるくる回りながら、少しもコースを外れない。もちろんプロの運転技術のためもあるのだろうが、大きな車体に似合わぬ機敏な反応にびっくりする。ひょっとするとジムカーナでもいい得点がとれるのではないかと想像してしまったほどだ。

秋の山道を「飛び回る」ように走るLX
秋の山道を「飛び回る」ように走るLX

SUV、いやラリーカー、いやSUV
SUV、いやラリーカー、いやSUV

眺めはいいけど、それどころじゃない躍動感
眺めはいいけど、それどころじゃない躍動感

「お疲れさまでした」

ラリードライバーに笑顔で見送られながら、LXから降りたときには強烈な体験にやや足元がふらついていた。

アトラクション終了後にはフォトセッションがあり、浅間山を背景にドライバー達がLXと一緒に撮影に応じた。荒々しい地形を背に凛々しく並んだ人馬を見て、そばにいたスタッフが嬉しそうに一言。

「サムライみたいだな」

スタッフの方は侍みたいと言っていたけど、動きはどちらかというと忍者だと思いました
スタッフの方は侍みたいと言っていたけど、動きはどちらかというと忍者だと思いました

しかし記者としては、いやいやどちらかというと忍者みたいだったな、あの動きは。と内心つぶやいたのだった。