「Alinker」は、おしゃれなデザインを持つ足蹴り自転車。膝の痛みなどに苦しむ人の行動範囲を広げるために開発された。


足の痛みを抱える人は車椅子などを使う生活となりがち。だが車椅子に乗ると、目の高さが一般の人よりずっと下になってしまうため、無意識に他の人に対して気後れしてしまうという。また周囲の人も、車椅子に乗った人に対してはそうでない人とは異なった対応を取りがちだ。

「Alinker」は、そのような人たちの生活範囲を広げ、プライドを取り戻させるために開発された乗り物。立っているときとほぼ同じ目の高さを維持できるため、他の人たちと同等の関係を維持できる。街を歩く人たちと同じ速度での移動ができるので、一緒に出かけた人に対して、気を使うこともない。


また、アーチ状のユニークな形状を持ち、ビビットなイエローカラーに塗装されたフレームを持つ「Alinker」は、乗っている人をアクティブで明るい人に見せるという効果もあるという。


開発元は「Alinker」を、困っている人向けの乗り物としてではなく、子どもが見てうらやましいと思えるものにしたかったというが、その目標は達成されているようだ。


「Alinker」は昨年オランダに導入され、すでに多くの人が利用している。導入の結果、これまでは家の外に出るでるのが億劫だと感じていた人が、いまでは犬の散歩に毎日出かけるようになった、などの例が報告されているそうだ。リハビリ中の人などが利用し、足の筋肉を落とさずに維持できたという報告もあるという。


開発元のカナダのLinkerは、「Alinker」の北米での導入に向けて、クラウドファンディングサイトIndiegogoで出資者募集のキャンペーンを実施している。すでに目標金額の調達に成功しており、今年の6月以降、カナダと米国で「Alinker」が走り始めることになる見込みだ。


是非日本にも導入して欲しいところだが、「Alinker」の導入には、バリアフリーが前提となる。現在の東京では、導入はまだ難しそうだ。また、「Alinker」に乗って美術館や映画館に入ってくる人がいたら、多くの人は驚いてしまうだろう。それが当たり前と感じられるよう、我々の意識が変わるまでには、まだもう少し時間がかかるかもしれない。