発展途上国のスラム街には、道が狭く救急車が入れない地域が存在する。これが原因で、救急患者の病院への搬送が遅れることも珍しいことではないようだ。


インダストリアルデザイナーの Gregory Hayter 氏はこの問題を解決するための救急バイク「Zephyr Rescue Scooter」のコンセプトモデルを発表した。この救急バイクが実現すれば、細い路地の多い住宅地での救急活動が改善できるという。


救急バイク「Zephyr Rescue Scooter」のコンセプトモデル
救急バイク「Zephyr Rescue Scooter」のコンセプトモデル

「Zephyr Rescue Scooter」は、電動の2輪車。ストレッチャーを引いて、狭い路地を機敏に移動したり、自動車が走行している大通りを走行するのに十分なパワーを持つ。また、患者に救命措置を実施するための最低限の医療器具も搭載される予定だ。

「Zephyr Rescue Scooter」は、スラム街での救急活動に有用であると期待されている
「Zephyr Rescue Scooter」は、スラム街での救急活動に有用であると期待されている

Hayter 氏によれば、医療を受けられないスラム街に生活する人々は世界に10億人存在しているという。「Zephyr Rescue Scooter」では、先進国の救急車と同様のサービスを提供することはできない。だが低コストで維持可能で、救急患者のもとに素早くかけつけられる救急バイクが実現すれば、現在のまったく医療サービスの無い状況を改善できるはずだと Hayter 氏は述べている。