カリフォルニア在住のアーチスト Barry Howard さんは、自転車で牽引するキャンピングカー「バイクキャラバン」を製作。昨年7月にこのバイクキャラバンでの生活をスタートさせた。今もカリフォルニアを移動しながら絵を描き、それを販売するという「真のノマドワーカー」生活を実践している。


バイクキャラバンは、Howard さんが製作した自転車キャンピングカー。車輪には壊れた折り畳み自転車を、壁紙には Howard さんが以前所有していたバンのカーテンを流用するなど、パーツの80%が廃材を再利用したもので占められている。


壁紙にはバンのカーテンを
壁紙にはバンのカーテンを

車輪には壊れた折り畳み自転車を再利用
車輪には壊れた折り畳み自転車を再利用

バイクキャラバンは、Howard さん1人がどうにか横になれるサイズ。だがこの小さな中に、基本的な生活必需品がすべて備えつけられている。

バイクキャラバンは、Howard さん1人がどうにか横になれるサイズ  キッチンペーパーからバナナ(?)まで、生活必需品はすべて装備されている
バイクキャラバンは、Howard さん1人がどうにか横になれるサイズ
キッチンペーパーからバナナ(?)まで、生活必需品はすべて装備されている

フロアスペースの大部分は、ベッドが占める。ベッドマットレスの下には3つの取り外し可能なパネルがあり、衣服、食料などを保存できるストレージになっている。車内にはガスレンジや小さなシンクも備えつけられており簡単な料理も可能だ。

フロアスペースの大部分は、ベッドが占める
フロアスペースの大部分は、ベッドが占める

ガスレンジや小さなシンクもあり、簡単な料理が可能
ガスレンジや小さなシンクもあり、簡単な料理が可能

ベッドは変形すれば、ソファーとして使える。Howard さんはこのソファに座り、フローティングテーブルを利用して、室内で食事や仕事をするという。

 ベッドを変形すれば、ソファーとして使える
ベッドを変形すれば、ソファーとして使える

室内のどこにでも移動可能なフローティングテーブル  足元にはストレージが見える
室内のどこにでも移動可能なフローティングテーブル
足元にはストレージが見える

では Howard さんはなぜこのようなキャンピングカーで移動を続けているのだろうか?Howard さんによれば、「芸術とは、探検することだから」だそうだ。

とはいっても、バイクキャラバンでの生活には不便も多いだろう。だが Howard さんは不便な点を見つけてもそこで旅を止めるのではなく、キャラバンを改造して対応しているという。2013年12月13日の Blog 投稿には次のようにある。

「私は4か月前に出発してから、キャラバンを改造し続けてきた。もっとも最近の改造は、室内にプロパンガスのコンロを取り付けたことだ。冬が近づいているのを感じて、改造を思い立った」

Howard さんが昨年末に取り付けたレンジ
Howard さんが昨年末に取り付けたレンジ

コンロを取り付けたことで、Howard さんの生活は一変したそうだ。

「これは素晴らしかった!室内にいながら、コーヒーをいれられるようになったのだ。これまでは室外でしか使えない(キャンプ用)ガスバーナーを使用していたので、コーヒーを飲むには、服を着替えて室外にテーブルとガスバーナーを設置しなければならなかった」

室内でコーヒーがいれられるようになった
室内でコーヒーがいれられるようになった

Howard さんの最大の悩みは、宿泊場所を探すこと。安全で、かつ違法ではない宿泊場所を探すのには、毎晩苦労しているという。

例えばこんな場所に宿泊する
例えばこんな場所に宿泊する

Howard さんの収入源は、自ら描いた絵の販売
Howard さんの収入源は、自ら描いた絵の販売

それでも Howard さんは、今日も米国のどこかの街を、このバイクキャラバンを牽引しながら走っている。

走る Howard さん
走る Howard さん

さて筆者は最初、Howard さんがバイクキャラバンを自作した理由を、自転車向けキャンピングカーが市販されていないためだと考えていた。だがその後、米国では自転車向けキャンピングカーが市販されていることがわかった。例えば、キャンプ用品を販売する KAMP-RITE では、自転車用トレイラー「MIDGET BUSHTREKKA」を販売している。価格は499ドル(約5万1,200円)。日本への送料が別途1,379.56ドル(約14万1,500円)必要となる。

自転車用トレイラー「MIDGET BUSHTREKKA」  これを牽引して、いざ、旅へ!?
自転車用トレイラー「MIDGET BUSHTREKKA」
これを牽引して、いざ、旅へ!?

トレーラー下部には、大容量の収納も備えている
トレーラー下部には、大容量の収納も備えている

もっとも、バイクキャラバンも自転車用トレイラーも、は日本の道路事情には合わないかもしれない。筆者は東京から山口まで何度か自転車で往復しているが、坂の多さには毎回悩まされている。自転車単体でも大変なのに、このバイクキャンパーを引っ張りながら登坂するのは、ちょっと無理な気がする。