フォルクスワーゲンバスは、1960年代のヒッピー文化を象徴する自動車。多くのヒッピー達がこれに乗ってサンフランシスコのヘイト・アシュベリーを目指したり、グレイトフルデッドを追いかけて米国中を旅したりしました。

ジェリー・ガルシアさんが亡くなった時には、  ワーゲンバスも泣きました
ジェリー・ガルシアさんが亡くなった時には、
ワーゲンバスも泣きました

そのワーゲンバスは昨年12月、ブラジルでの生産が終了。新車で手に入れることは不可能になってしまいました。ワーゲンバスの設計が古いため、デュアルエアバッグや ABS などが装備できなかったのが生産終了の理由だそうです。


昨年12月にラインオフされた最後のワーゲンバス
昨年12月にラインオフされた最後のワーゲンバス

では、21世紀にワーゲンバスを復活させるとしたら、どんなデザインになるのでしょうか? Hemisferio Criativo さんの発表したデザインコンセプト「nimbus」は、その1つの回答と言えるかもしれません。

 Hemisferio Criativo さんの発表したデザインコンセプト「nimbus」
Hemisferio Criativo さんの発表したデザインコンセプト「nimbus」

「nimbus」は、あくまでも Criativo さんの想像力の産物。これがこのまま商品化されることはありません。でも、いまワーゲンバスが開発されたらこうなるかも? という雰囲気だけは十二分に醸し出しています。

「nimbus」側面  ワーゲンバスっぽい?
「nimbus」側面
ワーゲンバスっぽい?

「nimbus」は、ハイブリッドエンジンを搭載したエコカー。都市部では大気汚染を防ぐために電気で走行し、荒野(?)ではガソリンで走行します。この方が、電気自動車よりもエネルギー効率が高いのだとか。屋根の上にはソーラーパネルが設置されており、短距離であれば太陽光で発電した電力だけで走行することも可能。環境保護に敏感な、ヒッピー(とその子孫たち)を魅了するパワートレインになっています。

荒野(?)ではガソリンエンジンで走行
荒野(?)ではガソリンエンジンで走行

都市部ではモーターで走行します
都市部ではモーターで走行します

「nimbus」のもう1つの特徴は、オープンであること。ガラス面が非常に広いため、運転席、後部座席のどちらに着座しても、良好な視界を得られます。これだけガラス面が広いとボディ剛性が不安な気はしますが、「オープン」であることも大好きなヒッピーには、ぴったりのデザインでしょう。

見晴らし、最高!
見晴らし、最高!

環境を守るため、外装には汚れをはじく特殊コーティングを実装。洗車回数を減らすことで、水の使用量と水質汚染の減少を目指します。

「nimbus」は、雰囲気こそワーゲンバスを継承していますが、装備は21世紀のもの。様々な最新のテクノロジーが搭載されます。例えば、フロントパネルには7インチの取り外し可能なタッチスクリーンを搭載。これでエアコン、カーナビ、カーステレオ、無線 LAN ルーターなどをコントロールできるようになっています。

フロントパネルには7インチの取り外し可能なタッチスクリーンを搭載
フロントパネルには7インチの取り外し可能なタッチスクリーンを搭載

エアコンやカーステレオなどをコントロールします
エアコンやカーステレオなどをコントロールします

サイズは、4.2 x 2.6 x 2.1メートルで、重さは1,620キロ。連続走行可能距離は260~320キロ程度で、時速100キロまでの加速は13秒となっています。でも、このような仕様を細かく見ていくことには、あまり意味はないかもしれません。これらの数字はすべて、Criativo さんの想像の産物だからです。でも、ここまで詳細にスペックを想像し、これだけ美しいグラフィックを描けてしまう Criativo さんの能力には脱帽します。

Criativo さんの描いたグラフィック  美しい!
Criativo さんの描いたグラフィック
美しい!