「SilentHawk」は軍用オフロードバイク。昨年、米国国防総省国防高等研究事業局(DARPA)が、その開発に資金を投じていることを明らかにした。開発にあたっているのは、Alta Motors と Logos Technologies だ。


「SilentHawk」は、敵地の偵察でより優位に立つための“ステルス”バイク。ベースとなっているのは Alta Motors の RedShift MX バイクで、これに Logos Technologies のハイブリッドパワーシステムを組み合わせている。これにより、長距離走行が必要な場合にはガソリンなどを利用し、敵地深くに潜入する場合にはモーターを使った“ステルスモード”で静かに走行することが可能になった。二輪駆動のオフロードバイクなので、敵地周辺が荒地であっても走行が可能だ。


「SilentHawk」のベースとなった Alta Motors の RedShift MX
「SilentHawk」のベースとなった Alta Motors の RedShift MX

DARPA が Alta Motors と Logos Technologies に求めているのは、モーター走行時の騒音レベルを55デシベル以下に抑えること。この騒音レベルは、一般的な会話よりも低く、静かなオフィスよりは若干高い程度だという。

Logos Technologies によるパワーシステムはガソリンの他、軍用ジェット燃料である JP 8 や軽油など、様々な燃料で動作する。これは、必ずしもガソリンが入手できるとは限らない戦場での使用に適している。「SilentHawk」はまた、これらの燃料を利用した発電機として、軍が携行している各種電子デバイスの充電に利用されることも想定されている。

Logos Technologies によれば、「SilentHawk」の開発は近くフェーズ2に入る計画だという。フェーズ2では  Logos Technologies が開発したプロトタイプに対する、より実践的なテストが18か月にわたって実施される予定だ。