グローバルデザイン企業 Gensler が、廃線になった英国の地下鉄跡を自転車道路にする「The London Underline(ロンドン・アンダーライン)」を提案している。

廃線になった英国の地下鉄跡を自転車道路にする  「The London Underline(ロンドン・アンダーライン)」
廃線になった英国の地下鉄跡を自転車道路にする
「The London Underline(ロンドン・アンダーライン)」

この提案は、廃線になった地下鉄路線という既存のインフラを自転車用道路に転換することで、ロンドン市内の混雑緩和を目指すというもの。地下のトンネルや地上へのアクセスで利用するエレベーターなどがすでに存在しているので、短期間で安く実現できるという。

「ロンドン・アンダーライン」で提案されている地下自転車道路設置区間
「ロンドン・アンダーライン」で提案されている地下自転車道路設置区間

わずかな費用で設置できるにも関わらず、その効果は大きい。例えば、ロンドンの「グリーンパーク」と「オールドウィッチ」間を移動する場合、タクシーを利用すると約28分かかる。だが「ロンドン・アンダーライン」を利用して自転車移動すればわずか7分で移動可能だ。移動にかかる費用はタクシーが約5,120円であるのに対し、自転車であれば無料。排出する二酸化炭素量も、自転車の方がはるかに少ない。

ロンドンの「グリーンパーク」を自転車で出発し
ロンドンの「グリーンパーク」を自転車で出発し

トンネル内を走行すれば
トンネル内を走行すれば

約7分で「オールドウィッチ」に到着できる
約7分で「オールドウィッチ」に到着できる

渋滞の激しい道路をタクシー移動するよりも、  20分程度早く着ける
渋滞の激しい道路をタクシー移動するよりも、
20分程度早く着ける

タクシー移動と、「ロンドン・アンダーライン」を利用した自転車移動との比較リスト
タクシー移動と、「ロンドン・アンダーライン」を利用した自転車移動との比較リスト

「ロンドン・アンダーライン」プロジェクトでは、廃線跡を自転車用道路にするだけではなく、地下街としても再開発。歩行者用道路も作り、人々が集まる楽しい場所にしたいとしている。

廃線跡は、地下街としても活用される
廃線跡は、地下街としても活用される

Gensler の Ian Mulcahey 氏は声明で次のように述べている。

「今やロンドンは史上最も人口の多いレベルに達しており、我々はインフラの可能性を最大限活用する方法を創造的に考える必要に迫られている。現在使われていない、あるいは十分に活用されていない地下鉄や電車のトンネルを活用することで、インフラネットワークを短期間に簡単に追加できる」


このようなプロジェクトを耳にすると、東京でも同じことはできないかと夢想してしまう。残念ながら東京には自転車道に転換可能な地下鉄跡などは存在しないが、山手線や中央線など鉄道の上の空き空間に道路を建設し、自転車用道路として活用すべきと主張する人は存在している。実現する可能性は低そうだが、もし実現したらサイクリストにとっては素晴らしいことだろう。例えば、中央線の上が自転車専用道になれば、自転車で新宿から高尾山まで移動するのも、比較的容易になるからだ。

「ロンドン・アンダーライン」は、「London Planning Award」で最優秀コンセプトプロジェクトを受賞している。