JR 西日本が2017年春から運行を始める新たな寝台列車の名前が「瑞風(みずかぜ)」と決まった。稲穂が豊かに実る国、瑞穂(みずほ)の国を風のように駆け抜ける列車、という意味を込めている。特設サイトでは瑞風が走る姿を見ることができる。


瑞風は、1989年の運行開始から25年間で約110万人の乗客が利用した寝台列車「トワイライトエクスプレス」の伝統を受け継ぐ目的で導入する。


その名は、みずみずしい風、吉兆をあらわすめでたい風という意味をあわせ持つ。瑞穂の国に、新しいトワイライトエクスプレスという風が幸せを運んでくる、という情景を念頭に名付けたとか。またサブタイトルとして「TWILIGHT EXPRESS」の名を残している。

ロゴデザインは瑞風の M を沿線の山並みに見立て、吹き抜ける風をトワイライトエクスプレスの象徴である天使で表現している。

瀟洒なロゴ
瀟洒なロゴ

運行エリアは京阪神と山陰・山陽。沿線に立ち寄って観光を行う計画だ。10両編成で、客室車6 両、食堂車1両、ラウンジカー1両、展望スペース付き先頭車2両という内訳。定員は30人程度。

車に1つしかない「最上級客室」は1両をまるごと使ったもので、プライベートバルコニーやバスタブ付きの本格的なバスルームを設けた世界中にも希少な客室。

車両1つをまるごと使った客室
車両1つをまるごと使った客室

浴室に
浴室に

リビングまで
リビングまで

両端に設けた展望スペースでは前後左右の車窓から景色が望め、列車後方ではオープンエアのデッキからその土地の風や香りを感じられるとか。

展望スペースでは土地ごとの景色も楽しめるとか
展望スペースでは土地ごとの景色も楽しめるとか

また、かつてのトワイライトエクスプレスでは、車内で調理したフレンチのディナーが多くの乗客に好評だったことから、瑞風もフードコラムニストの門上武司氏のプロデュースのもとに車内調理の伝統を引き継ぐという。

京都の料亭「菊乃井」3代目主人、村田吉弘氏と、大阪のフランス料理店「HAJIME」オーナーシェフ、米田肇氏が一部の食事を担当する。これにより西日本の食を紹介する場にもしたい考えだ。このほか山陰、山陽エリアで活躍する料理人の協力も得るそう。