欧州では自転車がホット。都市部での交通渋滞が激しさを増すにつれて、移動手段として自転車を選択する人も増加しています。その結果、自分の自転車に、他の人のものとは違った“個性”を求める人も増えてきました。

「Erembald」はそのような人たちのニーズに応える自転車。飾り彫りの入った、“向こう側が透けて見える”フレームを持つ、オーダーメイドバイクです。ベルギーブルージュの自転車メーカー ElevenTwentySeven が開発しました。


“向こう側が透けて見える”自転車「Erembald」  スケスケです
“向こう側が透けて見える”自転車「Erembald」
スケスケです

「Erembald」のフレームはステンレス鋼製。これにレーザー彫刻の技術で飾り彫りを入れています。飾り彫りの模様はフレーム強度を下げないようコンピューターによってデザインされたもの。また、自転車各部のサイズは利用者に合わせてカスタムメイド。ハンドルの高さを調整するステムや、シート位置を調整するサドルペンを排除することでも強度を稼ぎました。これらの工夫により「Erembald」のフレームは、同サイズのカーボンフレームと比較して約1.5倍の強度を獲得したそうです。

「Erembald」で採用されたレーザー彫刻技術
「Erembald」で採用されたレーザー彫刻技術

これによって完成したのが「Erembald」の飾り彫り入りフレームです
これによって完成したのが「Erembald」の飾り彫り入りフレームです

飾り彫りのメリットは、街中で目立てること。都市部を走行すれば、街ゆく人たちの視線を一人占めできます。とくに通勤時間となる朝や夕方、斜めから射す太陽の光を浴びた「Erembald」のシルエットは、他の自転車よりも美しいのだとか。

朝日を浴びた「Erembald」の美しいフォルム
朝日を浴びた「Erembald」の美しいフォルム

一方、ひとけのない郊外を走行することが多い人には、あまり意味のない自転車とも言えるでしょう。雨の日などに舗装していない道を走行した後で、フレーム内につまった泥を掃除するのは相当面倒くさそうです。

フレームの中に虫が巣を作ったりしたら  きっついですね
フレームの中に虫が巣を作ったりしたら
きっついですね

この飾り彫り、残念ながら、フレームの軽量化には貢献しなかったよう。「Erembald」の総重量は12キロと、それなりのものとなっています。強度を優先したということのようです。

あくまで、飾り  実用性は二の次です
あくまで、飾り
実用性は二の次です

気になる価格は1,600ユーロ(約20万7,600円)。“高級自転車”に分類される価格帯となっています。ElevenTwentySeven の Karel Vincke さんは、高価格帯の自転車を販売することは、アジアに移転した自転車工場を、賃金の高い欧州の国に呼び戻すきっかけになりうると述べています。

限定50台だそうです!  欲しい人は、走るしかない?
限定50台だそうです!
欲しい人は、走るしかない?