1964年から翌年にかけて「こどもの国」へ100台寄贈された子ども用自動車「ダットサン・ベビイ」。その現存車1台が「こどもの国(所在地:神奈川県横浜市青葉区)」開園50周年を機に再生された。

「こどもの国」開園50周年を機に再生された「ダットサン・ベビイ」
「こどもの国」開園50周年を機に再生された「ダットサン・ベビイ」

再生されたのは、寄贈された100台のうちの100号車(画像右)
再生されたのは、寄贈された100台のうちの100号車(画像右)

「ダットサン・ベビイ」は、愛知機械工業が販売していた「コニー・グッピー」をモデルに専用設計されたもの。子ども用の自動車としては本格的な構造を持っていた。以下の仕様を見れば、そのレベルの高さがわかるだろう。


■「ダットサン・ベビイ」の主な仕様
・4輪独立サスペンション(フロントにはダブルウィッシュボーン形式を採用)
・トルコン付トランスミッション(国産トルコンを日本で最初に実用化した岡村製作所製)
・時速30キロでカットオフするスピードリミッター
・当時の交通法規要件に適合したランプ類
・スプリングを利用したハンドルのセルフリターン機構


今回、再生を手掛けたのは「日産名車再生クラブ」。同クラブは、かつての名車に採用された技術の伝承や自動車文化の継承・発信を目的として2006年に発足。以来、毎年1~2台の歴史的車両を再生し続けており、「ダットサン・ベビイ」は10台目の再生車両となる。

再生された車両は、今後1年間の予定で「こどもの国」の50周年イベントなどで展示・活用される。また、同車の展示イベントが日産グローバル本社ギャラリーで3月28日から開催される。