Indiegogo や kickstarter には、“お金はないが、知恵がある”若い人たちのアイディアが溢れている。だがどう考えても実現不可能なアイディアで出資者を募っているケースも、数は少ないが存在している。

今日は、そのようなプロジェクトを3件紹介してみたい。自転車関連のアイディア2件と、スケートボード関連のもの1件だ。


■クラウドファンディングサイトで見つけた3件の???なプロジェクト

1. Coca-cola powered Bike

コーラのボトルにメントスを投入すると、泡が一気に数メートルの高さまで噴き上がる。この現象は「メントスガイザー」と呼ばれ、YouTube などには多くの画像が投稿されている。

スロバキアの Michal Grznar さんのプロジェクト「Coca-cola powered Bike」は、このメントスガイザーのパワーで自転車を走らせる「メントスガイザー自転車」の製造を目指すものだ。

「Coca-cola powered Bike」コンセプト画像  荷台にコーラ瓶をくくりつけただけのシンプルな構造  「超速く、超クール」という宣伝文句が、少し哀しい…。
「Coca-cola powered Bike」コンセプト画像
荷台にコーラ瓶をくくりつけただけのシンプルな構造
「超速く、超クール」という宣伝文句が、少し哀しい…。

Grznar さんは「メントスガイザー自転車」について、次のように説明している。

「やぁ!君は試したことがあるかい?コカコーラにメントスを入れるやつさ。すぐに勢いよく噴き出すあれだ。あるだろう?だけどそれでは、コーラが噴き出すだけで、エネルギーの無駄だ。あのエネルギーを、何か役立つものに変換したいとは思わないか?」

普通は思わない。だが Grznar さんは思ってしまったようで、クラウドファンディングサイト Indiegogo で出資者を募っている。資金調達に成功した場合、大量のコーラとメントスを入手して、上記画像のような「メントスガイザー自転車」を製造するそうだ。

3,000ドルの出資で、「メントスガイザー自転車」を入手することができる。だが、記事執筆時点で、このプロジェクトに対する出資額は0ユーロ。誰もが、“この自転車は走らない”ことを理解してしまった結果だろう。

2. POWER BOOST BIKES

「POWER BOOST BIKES」 は謎のプロジェクト。プロジェクトノートには、「特許を取得した『Power Boost』メカニズムを活用してペダルをアシストする」自転車を製造するとあるが、その「Power Boost」メカニズムがどんなものなのかについては、まったく説明がないのだ。

「Power Boost」メカニズムで走行する「POWER BOOST BIKES」   「スロットルをタッチするだけで、どこまででも行ける自転車」だそうだ
「Power Boost」メカニズムで走行する「POWER BOOST BIKES」
「スロットルをタッチするだけで、どこまででも行ける自転車」だそうだ

Indiegogo サイトに掲載されたプロトタイプの画像を見る限り、「POWER BOOST BIKES」 のパワーユニット内部にあるのは、大きなゼンマイのようだ。このゼンマイを事前に巻いてスタートし、走行中にリリース。そのパワーでペダルをアシストするという仕組みなのだろうか?

「POWER BOOST BIKES」 内部の構造  巨大な丸いものはゼンマイ?
「POWER BOOST BIKES」 内部の構造
巨大な丸いものはゼンマイ?

果たしてゼンマイで自転車が走行するのかどうか、見てみたい気はする。だが走行前に毎回ゼンマイを巻くのは、相当に面倒な作業だという気もする。

「POWER BOOST BIKES」に対する出資者募集キャンペーンは昨年10月で終了。目標調達金額は5万8,000ドルだったが、出資者は16人、調達額は445ドルに留まった。だが、この謎のパワーユニットに出資した人が16人もいたというのは、なかなかに驚異だ。

3. Feat Skateboards

最後に紹介するのはスケートボード「Feat Skateboards」。スケートボードが大好きで、カスタムボードを多く製作してきた米国の Jake Stinar さんによるアイディアだ。

Stinar さんは、スケートボードは大きく、一枚につながっているのでトリックに制限があると考えた。そこで、右足と左足に小さなタイヤを付けるだけのボードを考案。これにより、トリックのアイディアは無限に広がると主張している。

スケートボード「Feat Skateboards」  でも、これって…?
スケートボード「Feat Skateboards」
でも、これって…?

だがどう見ても、これはもはや単なるローラースケート。これを使ったトリックは、ローラースケートのトリックとなるだろう。Stinar さんは、スケートボードの改良に没頭するあまり、何か大事なものを見失ってしまったようだ。

「Feat Skateboards」に対する出資額は、記事執筆時点では0ドルとなっている。