米国の首都 ワシントンD.C.の地下鉄に、川崎重工業が作った新型列車の最初の編成が引き渡された。日本のメーカーとしては初のできごとだそう。


米国法人 Kawasaki Rail Car を通じ、ワシントン首都圏交通局(WMATA)に新型地下鉄電車「7000系」の初編成を引き渡した。


同社は2010年に約64両の注文を受けており、今回はその第1編成8両となる。ネブラスカ州リンカーンの工場で製造し、WMATA の営業路線などで約1年間の各種検証試験を行ったという。さっそく営業運転が始まっている。

WMATA が7000系を導入する目的は、ダレス国際空港への延伸や老朽化した既存車両の更新、混雑緩和などだ。同交通局としては初のステンレス鋼製の構体を採用し、従来各車両に設置していた運転室を2両あたり1か所に減らして座席数を増やした。またデジタル映像の表示装置や CCTV カメラ、情報伝送システムなどを備えるのも特徴。

川崎重工業はすでにオプション契約として464両の注文を受けており、2017年にかけて順次納入する予定。

米国は、バラク・オバマ大統領のもと景気対策の一環として公共交通機関への投資を積極化しており、ともに東海岸岸の大都市であるワシントン D.C. とボストンをつなぐ「北東回廊」の都市交通やアムトラックをはじめとする都市間交通の老朽車両置き換えや増強が進む見通しだとか。