サーフィン、スノーボード、そしてスケートボード。この3つはすべて“ボードスポーツ”と呼ばれるものだ。だがサーフィンは波の力を、スノーボードは重力を借りて進めるのに、スケートボードだけは自分の足で地面を蹴り続けなければ前進できない。

「これは、不公平だ!」と考えたのが、ドイツハンブルグの Mellow Boards。彼らは、あらゆるスケートボードを“電動スケートボード”に変える「Mellow」を開発した。


スケートボードを“電動スケートボード”に変える「Mellow」
スケートボードを“電動スケートボード”に変える「Mellow」

電動スケートボードはすでに多く市場に出回っている。だが、そのなかに Mellow Boards メンバーを満足させるものはなかったという。最大の理由は、デッキとモーターが一体で販売されている点。スケートボーダーは、幅や形状、キックやコンケーブのきつさなど、デッキに対して様々なこだわりを持っている。だが既存の電動スケートボードは、デッキが1種類のみで、選択できないことが多いのだ。

そこで Mellow Boards が開発したのは、手持ちのデッキに取り付けて使用するモーターとバッテリーのセット「Mellow」。これを利用すれば、スケートボーダーは自分好みのデッキを電動スケートボードにトランスフォームできる。取り付けに必要な時間は数分。その日の気分で「Mellow」を取り付けるデッキを選択することも可能だ。

「Mellow」は手持ちのデッキに取り付けるモーターとバッテリーのセット  あらゆるデッキに装着できる
「Mellow」は手持ちのデッキに取り付けるモーターとバッテリーのセット
あらゆるデッキに装着できる

「Mellow」の楽しさはその浮遊感。平地を走行する場合、スケートボードのスピードは足で漕いだ直後が最高で、以降は下がり続ける。だが「Mellow」を取り付ければ減速することはなく、リモコンで加速することさえ可能だ。平地なのに、まるで坂を下っているかのような加速が、不思議な浮遊感を生み出すのだという。また坂道を上るときには、誰かに背中を押してもらっているような感覚を得ることもあるそうだ。

平地なのに坂を下っているような加速が、“浮遊感”を生む
平地なのに坂を下っているような加速が、“浮遊感”を生む

坂を上るときには、背中を押されているような感覚も
坂を上るときには、背中を押されているような感覚も

バッテリーパックは取り外し式。数秒で交換できる。バッテリーの重さは750グラムなので、予備のパックを持ち歩き、航続距離を伸ばすことが可能だ。一回の充電で走行可能な距離は約15キロで、充電に必要な時間は約2時間。


Mellow Boards は「Mellow」の市販化に向け、クラウドファンディングサイト「Indiegogo」で出資者募集のキャンペーンを実施している。記事執筆時点では、850ユーロ出資することで、「Mellow」を入手可能だ。入手に必要な金額はキャンペーン後半になるほど上昇し、終了後の市販価格は1,699ユーロとなる。出荷は、2016年の5月を予定している。



電動スケートボードは、日本の道路交通法では公道での使用が制限されている。安全なスケートボードパークなどで利用されたい。