アジサイに寄生する植物があるのを御存じだろうか。その名も「キヨスミウツボ」。意外と美しい姿をしている。関西の私鉄大手、阪神電気鉄道が紹介している。

キヨスミウツボと言うそうです。けっこうきれい
キヨスミウツボと言うそうです。けっこうきれい

キヨスミウツボは、ハマウツボ科と呼ばれる植物の一種。北海道~九州の山地で木陰に生え、カシ類、アジサイ類などの木の根に寄生する。分布は広い割に、希にしか見つからない植物で、高さは 5~10cm 。どの根からも出てくるわけではなく、条件があった限られた場所でのみで育つ。


きれいなアジサイの根に不思議なものがつくんだなあ
きれいなアジサイの根に不思議なものがつくんだなあ

光合成よりも他の植物に寄生して養分を獲るため、葉緑素がなく白色。名前の由来は、千葉県清澄山で採集され、花がウツボグサと似ていることから。開花後に花が黄色に変色するため、「オウトウカ(黄筒花)」とも言う。

ところで、何でまた阪神電鉄がこの珍しい植物を紹介しているかというと、傘下に六甲高山植物園があるためだ。六甲山の山上にあるこの植物園、海抜 865m で北海道南部と同じくらいという気候を生かし、高山植物を中心に世界の寒冷地植物、六甲山自生植物など、約1,500種を栽培している。

今回は、梅雨の一時期にしかあらわれないキヨスミウツボが見頃を迎えたため、宣伝のために取り上げたという訳。園内のたった2か所だけだが、6月25日頃まで美しい姿を眺められるという。

六甲植物園には阪神御影駅などから神戸市バス系統で六甲ケーブルに乗り継ぎ、さらに六甲山上バスを利用して到着する。梅雨時ならではの珍しい光景に興味がある人は、足を運んでみるのもよいかもしれない。