自動車メーカーはハイブリッド車や電気自動車の開発に取り組んでおり、その普及率もあがってきている。だがオートバイに関しては、メーカー側は開発に取り組んではいるものの、普及率は高いとはいえない。また、現時点では電動バイクの航続可能距離は短く、充電に必要な時間が長過ぎるため、例えばツーリングに使うのは難しいのが現実だ。

オーストラリア在住のAlistair McInnesさんは、この問題を解決する「Strangeworld」のプロトタイプを発表した。これは、再生可能エネルギーで走行可能なオートバイだ。

再生可能エネルギーで走行可能なオートバイ「Strangeworld」
再生可能エネルギーで走行可能なオートバイ「Strangeworld」

「Strangeworld」は、充電式のバッテリーを装備し、モーターで走行する電動バイク。ここだけ見れば、至って普通だ。だがそのボディ内部には折り畳み式のポールと風力発電機が格納されている。

ボディ内部には折り畳み式のポールと風力発電機を装備
ボディ内部には折り畳み式のポールと風力発電機を装備

オートバイのバッテリーが切れ、充電が必要になったら、ポールを立てて発電機をスタートさせる。これにより、オートバイのバッテリーが充電され走行可能になるという仕組みだ。充電に必要な時間などについては明らかにされてはいないが、夜充電を開始すれば、翌朝走行を開始するときまでには充電は完了しているという。McInnesさんは、一年を通じて強い風の吹く日が多いオーストラリアの気候にあった乗り物として「Strangeworld」を設計したとしている。

発電用ポールを立てた状態
発電用ポールを立てた状態

だが、なぜMcInnesさんは「Strangeworld」の開発を思い立ったのだろうか?McInnesさんは、2013年にスコットランドをバイクでツーリングしたとき、もし石油燃料が枯渇してしまったらこのような旅はできなくなることを実感。再生可能エネルギーで走行可能なオートバイの開発が急務だと考えて「Strangeworld」の製作に着手したと述べている。

石油資源が枯渇しなくても、  ガソリン価格が上昇すれば気楽なツーリングは楽しめなくなるかもしれない
石油資源が枯渇しなくても、
ガソリン価格が上昇すれば気楽なツーリングは楽しめなくなるかもしれない

「Strangeworld」は現時点ではまだプロトタイプ。最高時速は時速80キロに留まり、一回の充電で走行可能な距離も短いという。だがMcInnesさんは今後「Strangeworld」を改良し、最高速度を高め、航続距離も500キロ程度に伸ばしたいとしている。また、大手オートバイメーカーとの提携も検討しているそうだ。

芦奈野ひとし氏のコミック作品『カブのイサキ』や『ヨコハマ買い出し紀行』を思い起こさせるこのバイク。石油資源が枯渇し、ガラガラになった道路を「Strangeworld」だけが走行している、そんな風景を想像させてくれる。


風力で走行するバイク