未来はロボットが人間の代わりに色々な仕事をこなすようになると、多くの人が一度は空想しただろう。どうやら現実はななめ上を行くようだ。西日本鉄道の福岡(天神)駅では「ティッシュ配り」のためロボット「Pepper(ペッパー)」を投入する。アルバイト扱いで時給は1,500円だそう。

ペッパー、今回の任務は「ティッシュ配り」
ペッパー、今回の任務は「ティッシュ配り」

ペッパーはソフトバンクグループが2014年に発表した、人間と会話、応対するためのロボット。インターネットを通じて「クラウド」と呼ばれる巨大設備に接続し、複雑な処理を可能にする。


果たしてどのような企業が、どのような目的で活用していくかに注目が集まっているが、今回は西日本鉄道と岩田屋三越が、駅ビルや百貨店の夏のバーゲンを宣伝するためペッパーを投入すると発表した。

7月17~20日、ペッパーは天神駅をはじめ数か所で任務に就く。天神駅では17日の11時~14時、北口改札前コンコース「ときめき広場」で、乗降客などに声かけをしながらティッシュを配る。

また18~20日の10時~17時にも「ソラリアステージ」「岩田屋本店」「福岡三越」の各館を1時間程度巡回し、同様の業務をこなす。

西日本鉄道などでは、万全の体制でティッシュ配りを行うため、合計4台のペッパーを投入する計画だ。

これがペッパー。4台が投入予定だ
これがペッパー。4台が投入予定だ

ペッパーは1台19万8,000円。さらにクラウドと接続して動作させるために最低でも月額1万4,800円の料金が必要で、契約は3年拘束だ。

いかに斬新な試みとはいえ、ティッシュ配りのためにそこまで出費をするのかと茫然となるが、さにあらず。西日本鉄道などは、ソフトバンクグループのcocoro SBが手掛ける「ロボット人材派遣」なるサービスを利用する。ペッパーをアルバイト扱いで働かせられ、「時給」は1台1,500円。別途技術者の時給や配送費用なども生じるが、短期のキャンペーンに使うなら購入するより負担が少ないかもしれない。

それにしても、空想さえしなかった不思議な世の中になった。週末に天神駅周辺へ出かける人は、ペッパーからティッシュを受け取ってみるのも面白いかもしれない。