プジョーシトロエンはBollore Groupによるコンバーチブルカー「Bluesummer」を年内にフランスで販売開始する。その可愛い顔が話題の電気自動車だ。

可愛い顔のコンバーチブル「Bluesummer」
可愛い顔のコンバーチブル「Bluesummer」

「Bluesummer」はPHEVやハイブリッドではなく、100%の電気自動車。1回の充電で走行可能な距離は約200キロで最高速度は時速110キロと、そのスペックはかなり控えめなものだ。


高速道路には乗れないだろう  時速110キロが上限ではいざというときに怖いし  バッテリー切れも不安だ
高速道路には乗れないだろう
時速110キロが上限ではいざというときに怖いし
バッテリー切れも不安だ

だが「Bluesummer」購入希望者にとって、このような数字はあまり大きな問題にならないだろう。彼らが注目しているのは、そのルックスとパッケージング。そしてそのコンセプトが生み出すライフスタイルだ。

あくまで、みんなでワイワイ近場を移動するクルマ
あくまで、みんなでワイワイ近場を移動するクルマ

他のクルマとは異なり、「Bluesummer」は自動車雑誌よりもファッション誌などで多く取り上げられているという。そしてファッション誌が最も注目しているのは、そのヘッドライトデザイン。まるで笑った顔のように見え、楽しい気分になれると評価されている。

こんな顔した人に、どこかで会った気がする
こんな顔した人に、どこかで会った気がする

パッケージングも評価が高い。車内は決して広くはないが、コンバーチブルデザインにより、空間が空に向けて開かれており、シートに座る4人に無限の開放感を提供するという。

前後左右の広さは制限されている  だが、空への開放感は無制限だ
前後左右の広さは制限されている
だが、空への開放感は無制限だ

シートはジーンズライクな生地で、遊びのためのクルマという雰囲気を高めている。後部シートは折り畳むことができるので、自転車などの大きな荷物も積載可能だ。

自転車、積めます
自転車、積めます

よくわからないのはクラクション。仕様書には「クリケット(コオロギ)」のような音がすると記載されているのだが、本当なのだろうか?確かに楽しそうだが、実用性に欠けるような気もする。

実際の“鳴き声”を聞いてみたい
実際の“鳴き声”を聞いてみたい

ここまで見てきた通り、「Bluesummer」のスペックには突出したものは何もない。だがどういうわけか、昔のクルマが持っていた「これに乗って、どこかに出掛けたい」と思わせる雰囲気を持っている。自分の住む場所から100キロ以内にある公園やビーチなどに、家族や友達といっしょに遊びに行く回数を増やしてくれる、そんなライフスタイルを生み出してくれるクルマだ。

ライフスタイル、変わるかも?
ライフスタイル、変わるかも?

サイズは全長3.69x全幅1.71x全高1.61メートルで、重さは1,285キロ。バッテリーは3,000回の充電または40万キロの走行に耐える。フランス以外での販売予定や価格などについてはまだ公開されていないが、日本でも是非販売して欲しい。個人で所有したい人は少ないかもしれないが、軽井沢や箱根などでレンタカーとして貸し出してくれたら、観光地がより楽しいものになる気がする。