
「Bluesummer」はPHEVやハイブリッドではなく、100%の電気自動車。1回の充電で走行可能な距離は約200キロで最高速度は時速110キロと、そのスペックはかなり控えめなものだ。

時速110キロが上限ではいざというときに怖いし
バッテリー切れも不安だ
だが「Bluesummer」購入希望者にとって、このような数字はあまり大きな問題にならないだろう。彼らが注目しているのは、そのルックスとパッケージング。そしてそのコンセプトが生み出すライフスタイルだ。

他のクルマとは異なり、「Bluesummer」は自動車雑誌よりもファッション誌などで多く取り上げられているという。そしてファッション誌が最も注目しているのは、そのヘッドライトデザイン。まるで笑った顔のように見え、楽しい気分になれると評価されている。

パッケージングも評価が高い。車内は決して広くはないが、コンバーチブルデザインにより、空間が空に向けて開かれており、シートに座る4人に無限の開放感を提供するという。

だが、空への開放感は無制限だ
シートはジーンズライクな生地で、遊びのためのクルマという雰囲気を高めている。後部シートは折り畳むことができるので、自転車などの大きな荷物も積載可能だ。

よくわからないのはクラクション。仕様書には「クリケット(コオロギ)」のような音がすると記載されているのだが、本当なのだろうか?確かに楽しそうだが、実用性に欠けるような気もする。

ここまで見てきた通り、「Bluesummer」のスペックには突出したものは何もない。だがどういうわけか、昔のクルマが持っていた「これに乗って、どこかに出掛けたい」と思わせる雰囲気を持っている。自分の住む場所から100キロ以内にある公園やビーチなどに、家族や友達といっしょに遊びに行く回数を増やしてくれる、そんなライフスタイルを生み出してくれるクルマだ。

サイズは全長3.69x全幅1.71x全高1.61メートルで、重さは1,285キロ。バッテリーは3,000回の充電または40万キロの走行に耐える。フランス以外での販売予定や価格などについてはまだ公開されていないが、日本でも是非販売して欲しい。個人で所有したい人は少ないかもしれないが、軽井沢や箱根などでレンタカーとして貸し出してくれたら、観光地がより楽しいものになる気がする。