
西鉄では観光列車に力を入れており、太宰府行きの「旅人」を運行しているが、今回の柳川行き「水都」はそれに続くもの。
1~6号車すべてが異なるデザイン。まず6号車は柳川の春、掘割に水を張り巡らせる「さげもんめぐり」に登場する毬(まり)をあしらっている。臙脂(えんじ)と藍(あい)のカラーリングが美しい。

5号車には、「水天宮祭」の行われるころ、柳川市の木であるヤナギが新緑をまとい、水面に影を落とすさまを描いた。紺青(こんじょう)と藍鼠(あいねず)の2色を合わせている。

4号車は初夏、柳川に生まれた詩人・北原白秋が作詞した童謡「からたちの花」に登場する白い花を取り入れている。深緑(ふかみどり)と青鼠(あおねず)の塗装だ。

3号車も初夏の景色。柳川市の花である花菖蒲が咲き乱れるようすを川下りの舟から眺めたようすだ。灰緑(かいりょく)と象牙(ぞうげ)の色を取り合わせている。

2号車は夏から秋にかけて。水上で賑やかに催される「白秋祭り」と花火を表現している。カラーは濃藍(こいあい)と瑠璃(るり)。

1号車は秋から冬を描いている。柳川でひな人形を虫干しする節句「重陽」に咲く菊の花が中心だ。漆黒(しっこく)と木蘭(もくらん)の彩りが美しい。

内装もカーテンヘッドレストカバー、路線図にいたるまで、各車両の外装に合わせた伝統色を採用する予定。また3号車には柳川の物産を展示し、4号車には多言語対応のパンフレットやイベント情報の案内を置く。


水都は10月4日から運行を始める。平日は福岡(天神)~大牟田を6本、土休日は12本走る。特別料金は不要。通常の運賃で乗れるそう。
