
Wildeさんの家族は、自転車好きのビッグファミリー。週末には家族揃ってクルマで出掛けることが多いが、家族全員分の自転車を載せられず、困っていたという。市販されているサイクルキャリアは3台程度までしか搭載できないものがほとんど。それ以上載せられるキャリアは、搭載可能な自転車の種類に制限があることが多い。

「All Rack」は、2インチ規格のトレーラーヒッチに固定して使用するサイクルキャリア。取り付け/取り外し自由なモジュール式の前輪用バスケットがトップバーに取り付けてあり、このトップバーに自転車を立てた状態で吊り下げて運搬するのが特徴だ。モジュール式バスケットは全5種類用意されており、自転車のタイヤサイズにあわせて交換できる。この構造により、あらゆるサイズの自転車を運搬可能となった。



「All Rack」にはもう1つ特徴がある。従来型のサイクルキャリアでは、一番奥に積みこんだ自転車を取り外す場合、手前の自転車から順番に取り外さなければならないものが多かった。だが「All Rack」であれば、どの位置に搭載した自転車でも、取り付け/取り外しが可能だ。

チルト機構がついているので、自転車を取り付けた状態でも、リアハッチを開くことができる。


リアハッチをオープン可能となる
Wildeさんは現在、「All Rack」の市販化に向けてクラウドファンディングサイトkickstarterで出資者募集のキャンペーンを実施している。記事執筆時点では、699カナダドルでブラック版の「All Rack」を、725カナダドルでカラー版の「All Rack」を入手可能だ。入手に必要な出資額はキャンペーンが進むにつれて上昇し、終了後の市販価格は900カナダドルとなる予定。残念だが、日本での販売予定はないそうだ。
…と、書いてみたが、実はあまり残念と感じてはいない。日本で8台もの自転車を搭載して移動するようなケースは、ほとんどないだろう。

「自転車屋?」と言われそうだ
また日本の道路交通法では、サイクルキャリアがナンバープレートや灯火器を隠してはいけないとされている。だが「All Rack」で自転車を8台搭載すれば、ナンバープレートも灯火類も隠れてしまう。Wildeさんが「All Rack」の販売先をカナダと米国のみに限定したのは、正しい選択と言えるだろう。
とはいえ、自転車を立てて搭載するのは、アイディアとしては面白い。この仕組みを活かしながら、日本の道路交通法に準拠した製品があれば、面白いかもしれない。
