「見えにくけど、右折先に歩行者がいるよ」と教えてくれる(出典:トヨタ自動車)
「見えにくけど、右折先に歩行者がいるよ」と教えてくれる(出典:トヨタ自動車)

クルマ同士や道路上にあるセンサーなどが無線で通信し、事故や渋滞を防ぐシステム「ITS」。それと連携し、安全運転を支援する機能「ITS Connect」を搭載したクルマを、トヨタが近日国内で発売する予定だ。2015年内の3車種を展開するそう。

最近のクルマはレーダーやカメラを搭載し、ある程度まで事故のリスクを低減する機能を備えている。しかしそうした車載センサーも有効範囲には限りがあり、その外にある危険までは把握できない。


そこでITSを使って道路上にあるセンサーやほかのクルマと通信し、「見えない相手」との事故などの危険をドライバーに知らせ、より安全に運転できるようにしようというのが ITS Connect だ。

特に事故の起きやすい交差点周辺で有効に働くと、トヨタは見込んでいる。

例えば右折待ちで停車している際、目の前にトラックなどの大きな対向車があらわれて視野を遮るとする。さらにそこへ直進してくる別の対向車や、右折先に近づく歩行者がいると、事故が起きやすい状況になる。

しかしITS Connect が利用できれば、ドライバーが気づかずブレーキペダルから足を離して発進しようとした場合に、注意の表示が出て、ブザー音が鳴る。

上から見るとこう
上から見るとこう

なぜ注意が受けられるかといえば、道路上にある「路側装置」と呼ばれるセンサーが交差点に進入してくるクルマや歩行者の存在を検知し、周辺にいるクルマに無線で知らせてくれるからだ。

路側装置
路側装置

トヨタは詳しい ITS Connect の流れを、YouTubeに分かりやすい動画として公開している。右折待ち以外にも、救急車が接近してきた場合に察知できるなど、さまざまな利用場面を紹介している。


なお同社は将来、ITS Connectを車両制御技術などとを連携させる計画だそう。