段差がないクルマとして話題になったダイハツ工業の「NORI ORI(ノリオリ)」。とても面白い形だが、実は障がいのある人や高齢者のための「福祉車両」ですでに実用化している機能を利用している。あえて新モデルとして東京モーターショーに参考出品した理由を訊いた。

ノリオリは「近未来のマルチユースコミューター」とめいうって、停車時にひざまづくようにして車高を下げる「ニールダウンシステム」を採用。さらに大開口の2ウェイアクセスドアを備え、車両の横からでも後ろからでも乗り降りができるようにしている。


助手席側に収納式スロープを設定し、リヤにはフロアリフトを備え、床の凸凹をなくして車内での移動をしやすくした。折りたたまず2台の車いすを乗せられる室内空間も特徴だ。

とはいえ、ニールダウンシステムはすでに福祉車両などが採用している技術。わざわざ新しいクルマの形にしたのはどういう訳だろうか。

説明員によると「ニーリング(ニールダウンシステム)などの技術を、福祉車両にかぎらず活用するため」なのだそうだ。

例えばノリオリでは車いすでの乗車を分かりやすい事例として紹介しているが、ほかにも自転車好きが遠出する際のクルマとして使う、といった場面も考えられるそう。従来のようにマウンテンバイクやクロスバイクなどをかつぎ上げたりしなくても、手で押してそのままするすると車内に運び込めて便利だという。


リアのフロアリフトは重い荷物を運ぶのにも適している。お店の配達に使うのもありだし、プライベートの買い物でも役に立つ。

福祉車両に普及した技術を、ほかのクルマにもフィードバックするというのは面白い発想。ぜひ今後の市販モデルで何らかの形になって欲しい。