
「Fontus」は空気中に含まれる水分から飲み水を作り出すデバイス。2014年に試作品が発表され、ジェームズ ダイソンアワードに出品されていた。その「Fontus」が製品化に一歩近づいたようだ。「Fontus」を開発するオーストリアのスタートアップ企業Fontusは、3月にクラウドファンディングキャンペーンを開始すると発表した。

クラウドファンディングを近く開始!
「Fontus」には、2つのモデルが用意される。1つは自転車用の「Ryde」。もう1つはハイキングなどで利用できる「Airo」だ。


「Ryde」は、自転車のフレームに取り付けて使用する。走行することで吸気口から水分を含む空気を内部に取り入れ、飲料水を作り出してボトル内に貯水するという仕組みだ。ある程度以上の湿度のある場所であれば、1時間走行することで0.5リッターの飲料水を取り出せるという。


「Airo」は、ボトルの回りに「Ryde」よりも大型のソーラーパネルを巻き付けたタイプ。ソーラーパネルで発電した電力でファンを回し、空気を取り入れるという仕組みだ。

ソーラーパネルの電力でファンを回す


どちらのモデルでも、取り入れた湿った空気を冷却することで、水分を取り出している。冷却には、「ペルチェ冷却システム」が採用された。

日本は湿度が高めなので、「Fontus」の使用には向いているかもしれない。他国に比べ給水ポイントが豊富とはいえ、それでも走行するだけで飲料水が入手可能な「Fontus」を装備していれば、特に長距離ライドで心強いだろう。
「Fontus」の入手に必要となる出資額などを含むクラウドファンディングの詳細については、近く発表される予定だ。
空気から飲み水を取り出す「Fontus」、市販化まであと一歩?