メルセデス・ベンツは、「GLC」を発売した。


GLCの前身のSUV「GLK」は、3.5リッターV6エンジンとフルタイム四輪駆動による走行性能とそのデザインが特徴だったが、今回のフルモデルチェンジにより、「Cクラス」と同等の安全/快適装備を備えることで、SUVモデルを表す「GL」と車格を表す「C」を組み合わせ、モデル名を「GLC」とした。


デザイン
ボディサイズは、全長4,660mm、全幅1,890mm、全高1,645mm。ステアリング位置は右ハンドルに設定され、最小回転半径は5.7m。

ボディの空力最適化により、Cd値0.31(先代GLK:0.34)という空力特性を実現。空気抵抗を抑えることで、風切り音を減少させるとともに燃費効率を高めている。

室内は、先代GLKに比べ、前後席ともに乗員のための空間が広くなっており、後席レッグルームは57mm拡大、足元スペースは34mm拡大し、乗降時の快適性が改善されている。インテリアデザインには、8.4インチディスプレイを備えた「COMANDシステム」のCOMANDコントローラーに加え、タッチパッドを採用し、複数の入力方法が可能となった。

パワートレイン
最高出力211PS/155kW、最大トルク350Nmを発揮する2.0リッター直列4気筒BlueDIRECTターボエンジンを採用。トランスミッションには、最新の9速オートマティックトランスミッション「9G(ナイン ジー)-TRONIC(トロニック)」を組み合わせ、変速ショックとエンジン回転数の上昇を抑え、静粛性と燃費を高めた。

先代GLKと比較し、燃費は13.4km/L(JC08モード)と約15%向上させながら、最大トルクはほぼ同等の350Nmを確保した。フルタイム四輪駆動システム「4MATIC」を搭載し、トルクを前輪45%、後輪55%の比率で配分することで、さまざまな環境下で最適なトラクションを発揮する。

シャーシ
フロントのサスペンションは4リンク式、リアはマルチリンク。走行状況に応じてダンパー内のオイル流量を変化させ、減衰力を調整するセレクティブダンピングシステムを備えた「AGILITY(アジリティ) CONTROL(コントロール)サスペンション」を採用した。通常走行時には快適な乗り心地を提供し、ハードな走行時には最大限の減衰力を発揮する。

また、5つのモードからセッティングが可能な「ダイナミックセレクト」を標準装備。モードに応じて、エンジン、トランスミッション、ステアリングの制御などが変化し、快適性や燃費を優先する走りから、素早いレスポンスでスポーティなドライビングまで設定することができる。

セーフティ
カメラとレーダーから得られたデータをコントロールユニットで融合させ、安全運転支援システムに対応するデータを作成し、解析することにより、先行車両、横断車両、後方車両、対向車、歩行者などを検出し、その位置を特定。これにより状況を判断して、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動でアシスト。また、夜間の安全なドライブをサポートするアダプティブハイビームアシスト・プラスを備えた「LEDインテリジェントライトシステム」を標準装備する。

ユーティリティ
安全性に加え、利便性を向上する装備として、車両周囲の状況をモニターする「360°カメラシステム」、自動操舵・ブレーキ機能により縦列駐車と車庫入れをアシストする「アクティブパーキングアシスト」を標準装備。

ラゲッジルームは、通常時で先代GLKより100リッター拡大した550リッター(VDA方式)を確保し、後席バックレストを倒せば最大1,600リッター(VDA方式)まで拡大できる。

ワンタッチ操作でテールゲートが自動開閉し、開口角度も調整できる「EASY-PACK自動開閉テールゲート」を標準装備。大きく開くテールゲート、張り出しの少ないフラットなフロア形状、後席バックレストを40:20:40の比率で前方に倒せる分割可倒機構を採用している。

メーカー希望小売価格は、6,280,000円(消費税込み)より。