自転車用スマートフォンUI「HAIKU」

スマートフォンの自転車用ナビアプリは便利だ。初めての場所に迷わず行けるのはもちろん、アプリによってはルートの高低差を表示してくれるものもある。クルマとは違い、「坂を登らなくて済む」ルートを選択できるのは、自転車では大きなプラスだ。

だが欠点もある。スマートフォンのインターフェイスはサイクリスト向けにデザインされているわけではないので、操作が困難なのだ。例えばナビを頼りに走行しているとき、ニュースサイトやSNSなどの通知が画面に表示されると、ナビの指示が見えにくくなってしまう。通知を消すには画面をタッチしなければならないが、走行中のタッチ操作は危険だし、目指す場所をタッチするのは難しい。また装着しているグローブの種類によっては、タッチに反応しないものもある。


「HAIKU」は、自転車のハンドルバーに取り付けて使うアシスタントツール。スマートフォンに、サイクリスト向けに設計された専用UIを追加してくれる。

自転車用アシスタント「HAIKU」
自転車向けに設計されたUIをスマートフォンに追加する「HAIKU」

その特徴は、サイクリストが一瞬で把握可能な必要最小限の画面表示と、操作しやすいUIにある。例えばナビ画面では、「30メートル先を左」といったミニマムな情報のみが表示される。走行しながら入手する情報はこれで十分だし、それ以上の情報が必要な場合には自転車を停止させ、スマートフォンを取り出すべきだ、という発想からデザインされたUIだ。

「HAIKU」画必要最小限の表示をする例
「HAIKU」ナビ画面
「30メートル先を左」という情報を表示している

コントロールは、手や指によるジェスチャーを使用する。「HAIKU」上で手を振れば、表示モードが切り替わる仕組みだ。

「HAIKU」ジェスチャーコントロールの例
コントロールは手や指によるジェスチャー

モードは、「ナビ」「走行速度と現在時刻」「スマートフォンへの着信と通知」の3つ。現在どのモードが選択されているのかは画面左に設置されたLEDの色で知らせる。「ナビ」が選択されているときにはLEDは黄色に発光する。「走行速度と現在時刻」では緑色、「スマートフォンへの着信と通知」では青色に発光する仕組みだ。

「HAIKU」の走行速度と時刻表示画面
「走行速度と現在時刻」モード
LEDは緑色

「HAIKU」着信表示画面
「スマートフォンへの着信と通知」ではLEDは青色
メールの相手は上司

装着はマグネットを活用したワンタッチ方式。自転車に取り付けた瞬間に、自動的にスイッチがオンになる。

「HAIKU」のマグネット装着機能
装着と同時にスイッチオン

サイクルコンピューターが欲しいが、すでに保有しているスマートフォンと機能がかぶるために購入をためらってしまう。とはいうものの、走行中のスマートフォン操作には問題がある。そう考えている人に、「HAIKU」は第三の選択肢を与えてくれるかもしれない。

開発元のHAIKUは現在、Indiegogoで「HAIKU」のプリオーダーを受け付け中。価格は80ユーロに設定されており、出荷は2016年9月に予定されている。