「FireFly(ホタル)」は20インチサイズの折り畳み電動アシスト自転車。米国バージニア州に本拠を置く折り畳み自転車メーカーORIGAMI BICYCLEが開発している。

折り畳み電動アシスト自転車、Origami Bicycle「FireFly(ホタル)」
20インチサイズの折り畳み電動アシスト自転車「FireFly(ホタル)」

駐輪場の無いオフィスでは、業務中に自転車をとめておける場所を探すのに苦労することも。えん乗り編集部のあるオフィスにも駐輪場はなく、編集部員は歩いて4分ほどの場所を借りてそこに駐輪している。折り畳み自転車を買ってオフィス内駐輪も考えたのだが、折り畳みで往復25キロの通勤は、ちょっと厳しそうだ。


そのような悩みを持つ自転車通勤者たちを救ってくれるかもしれないのが「FireFly」。折り畳んでオフィス内に自転車を収納できるうえに、モーターによるアシストで長距離の走行を(少し)楽にしてくれる。

折り畳み電動アシスト自転車、Origami Bicycle「FireFly(ホタル)」
折り畳みは長距離走行にはあまり適さないものが多いが、
モーターアシストがあれば、通勤できるかも?

「FireFly」に採用された折り畳み機構はごくごく一般的なもので、とくに新奇なものが搭載されているわけではない。ORIGAMI BICYCLEは米国では7年以上折り畳み自転車の開発と販売を継続しているメーカーで、「FireFly」の折り畳み機構もそれなりに信頼のおけるものだと考えられる。

折り畳み電動アシスト自転車、Origami Bicycle「FireFly(ホタル)」
折り畳み機構は標準的なもの

一方で電動アシスト機能はかなり興味深いものとなっている。ORIGAMI BICYCLEは当初、アルミフレームと、リアハブモーターの組み合わせでプロトタイプを製造したという。この組み合わせは悪くはなかったが、サイクリストが力を入れて漕いでいるときも、のんびりクルーズしたいときでも、モーターは同じようにアシストを続け、乗っていてあまり楽しくないものになったそうだ。また、ハブモーターは重く、アルミフレームと組み合わせた場合、トータルでは折り畳み自転車とは思えない重量になってしまった。

最終的に、「FireFly」にはミッドドライブモーターが採用されることになった。ミッドドライブなら、サイクリストは9段変速機の恩恵を十分に享受できる。また、坂道をのぼるときや信号待ちで再スタートする際には、ダイレクトなアシスト感を得ながら走行できる。

折り畳み電動アシスト自転車、Origami Bicycle「FireFly(ホタル)」
変速機の恩恵を受けられるミッドドライブモーター方式

モーターは、市場に出回っているものでは折り畳み自転車にフィットしなかったので、「FireFly」に合わせたカスタムメイド品となった。バッテリーケースも、折り畳んだときに邪魔にならないよう、ユニークな形状とされた。

折り畳み電動アシスト自転車、Origami Bicycle「FireFly(ホタル)」
折畳んでも邪魔にならないユニークな形状のバッテリーケース

フレームとフォークにはアルミではなくカーボンファイバーが採用され、ボディの軽量化が図られた。とはいえ「FireFly」は電動アシスト。バッテリーとモーターはそれなりに重く、トータルでの車体重量は約18.6キロと、いわゆる“ママチャリ”程度の重さになってはいる。

折り畳み電動アシスト自転車、Origami Bicycle「FireFly(ホタル)」
カーボンファイバー製フレーム&フォークを採用

販売開始は2018年7月頃の予定で、価格は2,000ドル(約22万円)。当面は米国のみでの販売となる見込み。

折り畳み電動アシスト自転車、Origami Bicycle「FireFly(ホタル)」
機能・性能にこだわった結果、価格にもそれが反映された?

日本での販売についてORIGAMI BICYCLEに尋ねているが、本稿掲載時までに回答を得ることはできなかった。

2018年6月21日追記:日本での販売についてORIGAMI BICYCLEのPaul Pinigisさんより回答があった。日本市場への参入について関心はあるが、現時点では日本の道路交通法や型式認定についての知識が不足しており、同社のみでの対応は難しいだろうとのこと。将来的には、これらに対応してくれる販売パートナーを日本で見つけたいとのことだった。