平日は自転車で通勤、週末にはロードバイクで遠乗りしたり、マウンテンバイクでダウンヒルを楽しんだりという人は少なからず存在します。でも、そのために3台もの自転車を所有するのはちょっと大変。購入費用だけでなく、駐輪場の費用やメンテナンスの手間も馬鹿にはなりません。
「FF1」は、そんな悩みを解決する自転車。普段は通勤に適したトレッキングバイク(≒クロスバイク)モードで利用し、週末にはパーツを付け替えて利用シーンに適した形態にトランスフォームできます。
トランスフォーム時には、まず、前後のタイヤを付け替えます。ここまでであれば、現在市販されている一般的な自転車でもできなくはありません。「FF1」の凄いところは、フロントフォークも簡単に交換できる点。例えばマウンテンバイクとして使用する場合にはサスペンションの入ったフォークに交換できます。このとき、特別なトレーニングや専門的な工具は必要ありません。ハンドルも交換可能。ハンドル交換で面倒なのは、ブレーキや変速機にのびるケーブルの取り外し/取り付けですが、これも誰でも簡単に扱える仕様とされました。
「FF1」の基本となるのは、アルミ製のフレーム。これにはリア用の油圧式ディスクブレーキやShimano Xt 8000ドライブトレインなどが含まれています。このフレームに「Trekking kit」を取り付けることで、通勤自転車として利用できます。「Trekking kit」にはフラットハンドルバー、Kinesisアルミフォーク、Shimano Deore 6000シフター、Kenda 700x35cタイヤなどが含まれています。
「FF1」をロードバイクにトランスフォームする「Road kit」は、ドロップハンドル、MicroShiftシフター、Kenda 700 x 28cタイヤなどで構成。リアホイールにはSunrace rs3 11-speed 11カセットが搭載されました。
マウンテンバイクにトランスフォームするのは「Mountain kit」。このキットにはトラベル量100ミリのRockShox Recon RLサスペンションが装備されています。フラットハンドルバーには、Shimano Deoreシフターを搭載。タイヤにはKenda 27.5 x 2.10タイヤが採用されました。
いつも乗っている通勤用自転車にサスペンションが付くと
それだけでかなり楽しくなります
マウンテンバイクキットとしては、より豪華な「Mountain Pro kit」も。こちらでは、FormulaのThirty Threeサスペンションフォークなどが採用されています。
ConvertのFabianさんにお話を伺ったところ、「FF1」は日本では輪行をする人に適しているのでは?と語ってくれました。一般的なロードバイクなどに比べ、分解/組み立てが容易だからだそうです。また、各キットはベッドの下に収納できるサイズ。スペースの限られた都市在住者でも、無理なく所有できるのではと、Fabianさんは考えているそうです。
通勤自転車から、ロードバイク/マウンテンバイクにトランスフォームさせるのに必要な時間は5分以下なのだとか。トランスフォームの模様については、ミュンヘンの自転車ショップが制作した動画「Convert Bike - 3 Bikes in Einem!」で確認してみてください。