完全自動運転機能を搭載した電気自動車で、車内からドライバーズシートやハンドルを排除したのが特徴。これにより自由なレイアウトが可能になった。従来のクルマのような2列または3列シートは装備されていない。また、電気自動車のため、ガソリン自動車のようなエンジンルームが不要であることも、自由なレイアウトの実現に貢献している。
車内は快適な眠りを実現する寝室として利用できるほか、リビング、エンターテインメント空間、そしてモバイルオフィスとしても使用可能だ。どのように利用するかは、搭乗者のライフスタイルに合わせることができる。
ボルボは「360c」の活用方法として、航空機の国内線に代わる移動手段(300キロ程度)を提案している。
航空機による移動では、事前にチケットを買い、決められた時間までに空港に出かけてチェックインし、ロビーで出発を待ち、騒々しく窮屈な機内でじっとしていなければならない。だが「360c」での移動を選択すれば自宅から直接目的地に向かえ、ファーストクラスのような広くて静かな車内で、自分の部屋にいるようにリラックスしながら移動できる。
自動運転は移動の方法やビジネスのあり方、住居の持ち方などを大きく変える。その変化は、「運転席に座った人がハンドルを持つ必要が無くなる」といったレベルではなく、もっとダイナミックなものとなる可能性を秘めている。
「360c」はそのダイナックな変化を人々にわかりやすく提示でき、さらに人々の想像力を刺激し得るコンセプトカーであると、ボルボは述べている。