Ural Motorcyclesは、タフなオフロード向けサイドカーを開発するメーカー。そのUral Motorcyclesが、サイドカー付き電動バイクのプロトタイプを発表しました。
プロトタイプのベースとなったのは、Ural Motorcyclesの「CT」。このマシンに対し、Zero Motorcyclesによる電動ユニット(モーター、バッテリーパック、コントローラーなど)が装着されています。
エンジンがモーターで置き換わっています
電動化されたことで、バイクライダーには多くのメリットが生まれました。クラッチやシフトペダルなどの操作が不要となり、「スロットルを開く」「ハンドルを切る」だけが操縦に必要な操作に。サイドカー付きマシンは2輪より安定性が高いこともあり、Ural Motorcyclesによればこのプロトタイプは、「ほとんど、クルマのように」利用できるのだとか。
電動化によってサイドカーに乗る人にもメリットがあります。「騒音がほとんどなく、静か」なうえに、「排気ガスの匂いがしない」ので、快適な移動ができるのだとか。
モーターなので騒音に悩まされずにすむそうです
電動化にあたっては、開発者にもメリットが。サイドカー付きのバイクは一般的なバイクよりも、バッテリーを搭載する場所が多いのです。このプロトタイプでは、2つのバッテリーのうちひとつはサイドカーのシート下に装備されたそう。合計2つのバッテリーをフル充電すれば、最長165キロ走行できるそうです。
モーターは最高出力60hp(45kW)、最大トルク81 ft-lbs(110 Nm)を発生し、最高速度時速140キロ(推奨クルーズ速度時速105キロ)での走行を可能とします。
ときに“時代に取り残された”乗り物として語られるサイドカー付きバイク。でも電動化の波の中で、“クルマより軽く、2人が乗れ、それなりに長距離走れる移動手段”として復活するかもしれません。航続距離が問題となりがちな電動の乗り物の世界では、サイドカーの“バッテリー搭載場所が多い”という点は、2輪のバイクに対するアドバンテージとなりそうです。