
「Magnic Microlights」は、ブレーキに組み込む自転車用ライト。その「Magnic Microlights」に、ディスクブレーキ採用車向けの「Wega」が登場した。

「渦電流」を活用しているのが特徴。本体に内蔵された磁石が生成した磁場内を自転車のホイールが回転することで発電し、ライトを点灯させている。従来型のダイナモとは異なり、ホイールとの接触がないので、走行抵抗をほとんど増やさないというメリットがある。

「渦電流」を活用する場合、磁石とホイールのリムを接近させるのが重要となる。だがキャリパーブレーキ装着車では、リムに最も近い場所にはブレーキが居座っており、磁石を取り付ける場所を見つけるのは難しい。
「Magnic Microlights」は、ブレーキの取り付けられていない場所を探すのではなく、ブレーキシューの前方にライトを取り付けてしまえ!…という画期的な発想でこの問題を解決した製品。シマノのブレーキシューと互換性があり、多くの自転車に装着が可能だ。
さて、「Magnic Microlights」の開発者であるDirk Strothmannさんは、2017年12月30日に「Magnic Microlights」の市販化に向けたクラウドファンディングプロジェクトをKickstarterでスタートさせた。だが、目指す金額を調達できる目途が立たないということで、2018年2月5日にはプロジェクトをキャンセルしている。
その後、Dirk Strothmannさんは「Magnic Microlights」におけるいくつかの問題点を改善し、2018年11月6日にプロジェクトをリスタートさせた。今回のプロジェクトではすでに目標額の調達に成功し、製品化を決めている。
前回とのプロジェクトとの違いは、ニューバージョン「Wega」が追加されていること。これは、フロントフォーク、シートステーに取り付けるタイプのライトだ。

「Magnic Microlights」には、ディスクブレーキ採用自転車には取り付けられないという欠点があった。だが「Wega」であれば取り付けが可能だ。
「ブレーキにライトを組み込む」というコンセプトからは大きく外れてしまっているのがかなり気になるところではあるが、それでも、充電のいらないライトが利用可能となって喜ぶ人は多いだろう。

「Wega」ではもう一つ、「Magnic Microlights」の持っている問題点を改善できる。それは明るさだ。「Magnic Microlights」の照度は、リムの種類や走行速度にもよるが、最大で70ルーメンほど。これではちょっと心もとないという人も多かったという。
だが「Magnic Microlights」と「Wega」を組み合わせれば照度を上げられる。正直、ロードバイクで高速走行をするにはそれでもまだ不安ではあるが、走行するルートや利用方法によっては、これで十分というケースも多いのではないだろうか?

現在実施されているKickstarterプロジェクトでは、フロント用2個+リア用2個の「Magnic Microlights」のライトで構成された「Magnic Microlights 360」セットを99ユーロの出資で入手可能だ。「Wega」はフロント用が1個39ユーロ、リア用が1個42ユーロで入手できる。出荷は2019年5月に予定されている。

なお、リムはメタル製にのみ対応。アルミ製がベストだそうだ。一方、カーボン製リムでは使用できない。