フォルクスワーゲン、電動デューンバギー「ID. BUGGY」公開

フォルクスワーゲンはジュネーブモーターショーで電動デューンバギー「ID. BUGGY」を公開した。電気自動車を“環境に優しい乗り物”から、“乗って楽しいもの”へと進化させるコンセプトモデル。

フォルクスワーゲン、電動デューンバギー「ID. BUGGY」公開
電動デューンバギー「ID. BUGGY」
思った以上のカエル顔がキュート

レトロなデザインと最新の技術を併せ持つバギー。デザインでは膨らんだボンネット、張り出しの大きなフェンダー、そして立体的な丸目のヘッドライトなどで1960年代のデューンバギーをかなり忠実に再現している。ルーフやドアがなく、ボディ全体がシャシーの上に浮かんでいるように見る“フロートデザイン”も特徴的だ。


フォルクスワーゲン、電動デューンバギー「ID. BUGGY」公開
参考画像:1960年代のデューンバギー

“フロートデザイン”は、2トーンのボディーカラーによって生み出された。ボディー下部は「Grey Tech Blue」で、ボディー上部は「Fern Green」で塗り分けられており、これがダークカラーの下部の上に、明るいカラーの上部が浮いているように見える効果を作り出している。

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ダークなカラーと明るいカラーの組み合わせで“フロートデザイン”を実現

フロントガラスのフレームとタルガバーは車両転倒時の乗客保護機能を提供している。「ID. BUGGY」にはドアもルーフもなく、悪天候から乗客を保護するものはない。だがタープをフロントガラスとタルガバーの間に取り付けてサンシールドとして使うことはできる。このタープは、ちょっとした雨を防ぐことも可能だ。

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フロントガラスフレームとタルガバーは乗客保護機能を提供

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フロントガラスとタルガバーの間にタープを取り付けてサンシールドに

ホイールには18インチとオフロードビークルらしい大径なサイズが採用された。このホイールに、BFグッドリッチのオールテレーン T/Aオフロードタイヤが装着されている。

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オフロードらしい18インチホイール

インテリアはミニマリストデザイン。雨に濡れたり砂を被ったりした場合でも簡単にメンテナンスできる仕様となっている。カラーはエクステリアから連続する部分については「Fern Green」、インテリア下部は「Grey Tech Blue」とされた。

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インテリアカラーも、エクステリア―カラーと統一感を持ったものに

コックピットもミニマリストデザインで、「ID. BUGGY」全体での統一感を出している。計器類はステアリング上に設置された小さなディスプレイのみで、このディスプレイがドライバーに必要な情報を提供する。ステアリングは6角形。ステアリングクロスバーはタッチコントロールパネルとなっており、ダッシュボードをすっきりとしたデザインに仕上げることに貢献している。

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唯一の計器であるディスプレイ

ドライブトレインとしてはリアに最高出力201hpのモーターが設置された。このモーターによる0-100km/h加速は7.2秒を達成している。最高速度は160km/hに設定された。フロア下には62kWhのバッテリーが設置されており、最大約250キロの走行を可能にしている。

最新技術としては、「ID. BUGGY」に採用されているフォルクスワーゲンのEV専用モジュラープラットフォーム「MEB」があげられる。「ID. BUGGY」は「MEB」の汎用性の高さを示すコンセプトカーであり、そのモジュラー構造を活用して外部メーカーがビジネスチャンスをつかむことができるかもしれない。例えばスタートアップ企業が「ID. BUGGY」ベースのカスタムカーを開発して販売する、といったケースが考えられる。

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気のせいか、リアもカエルっぽい