
クルマで旅行に出かける場合、移動している間はある程度は我慢を強いられることになる。だが「19_19」では移動するリビングルームの実現を目指しており、乗員は家にいるときと同じように、リラックスした移動体験を得られる。

インテリアでは、運転席だけは従来のシートに近いものとされている。だが助手席はまるでプールサイドのデッキチェアのような形状。足を投げ出し、背もたれに身体を預けてゆったりと座っていられる。

後席はソファのようなデザイン。リアシート周辺にはコーヒーテーブルや本棚が設置されているが、これらの素材にはクルマ用ではなく、家のリビングに使用されているものが採用された。


インパネはミニマルなデザイン。クルマとドライバーとのコミュニケーションは、主に音声アシストタントを介して行われる。

こういったインテリアにより、多くの人が持つ「目的地までの移動は疲れるもの」という従来の認識を一変させ、移動自体が日常の疲れを癒す時間となることを、「19_19」は目指している。

エクステリアでは、直径930ミリの大径ホイールが目を引く。このホイールはグッドイヤーとの協働によって開発されたもの。通常、ホイールはリムとタイヤで構成されるが、「19_19」のホイールはこの2つをシームレスに一体化させたものだという。

走行時の地面からの衝撃を和らげ、ロードノイズを低減する
キャビンは、この大径ホイールによって道路上に浮かべられたカプセルをイメージして設計された。航空機のボディを参考にデザインされたキャビンは、魔法の絨毯のような快適な乗り心地を提供するという。

フロントとリアに合計で2個搭載されたモーターの最大出力340kW (456hp)。このパワフルなパワートレインにより、0-100km/h加速は5秒以内を実現する。最高速度は200km/hに設定された。バッテリー容量は100kWhでフル充電すると800キロの走行が可能だ。急速充電にも対応し、20分の充電で600キロ走行できる。

VivaTechは2019年5月16日から、フランスパリで開催される。