
ポルシェ909「Bergspyder」は384kgという軽量ボディに、最大出力275PSを発生する2.0L水平対向エンジンを載せたヒルクライム用のレーシングカー。その優れたパワーウェイトレシオで、欧州ヒルクライム選手権で活躍した。

今回公開された「Boxster Bergspyder」は、かつてのポルシェ909「Bergspyder」同様、とびぬけたパワーウェイトレシオの達成を目指して開発されたプロトタイプ。これを実現するためにボクスターのフロントガラスは取り外され、ドアハンドルもルーフも助手席も排され、一人乗りのスポーツカーとされた。このような努力により、重量1,099kgを達成している。

この軽量ボディに搭載されたのはCayman GT4用をベースにした水平対向エンジン。393PSを発生するこのエンジンの採用により、パワーウェイトレシオは2.8kg/psを達成した。0-100km/h加速は4秒強を実現している。

「Boxster Bergspyder(ベルクスパイダー)」は残念ながら市販化には至らなかった。国によっては公道走行要件を満たせず、売り上げが期待できないのがその理由だったという。このため、プロトタイプはワンオフマシンで終わった。

ポルシェは2019年のガイスベルクヒルクライムレースで、「Boxster Bergspyder」をお披露目するとしている。