
「Vera」の最大の特徴は、運転席を排した独自のデザイン。“トラックにはキャビンがあるもの”という既成概念を破り、トラックの未来のカタチを示した。

今回の実証実験はスウェーデン ヨーテボリで実施される。内容は、同地にあるDFDSの物流センターと港湾ターミナル間のコンテナ輸送の一部を「Vera」が担うというものだ。

実験では「Vera」はフェリーから荷降ろしされたコンテナなどを搭載し、その後あらかじめ指示されたルートを通って物流センターまで移動する。ルート内には公道も含まれているという。

物流センターと港湾ターミナル間の輸送は、単調な作業の繰り返し。人間がハンドルを持つよりも、単調な繰り返しを苦にしない自動運転に任せた方がメリットが多いと考えられている。また、自動運転は24時間稼働できるので、深夜にフェリーが到着した場合でもすぐに対応が可能だ。これにより、物流の効率化が期待できる。

また、港湾ターミナルは混雑しがちな場所でもある。だが、「Vera」を投入すればVolvoによるコネクティッドシステムを活用して空いている場所をリアルタイムで把握。混雑していな場所を走行し、渋滞で動けない無駄な時間を削減できるかもしれない。

その他、「Vera」は電動トラックなので、CO2をターミナルで排出しない、ノイズレベルが低いというメリットも。

今回の実証実験は「Vera」の実用化に向けた最初のステップとなる。実験によりVolvoは自動運転トラックの完成度を高め、物流業界に新たな、そして最適なフローを提供したいとしている。
