Audi AI:TRAIL quattro

Audiはガラス張りのオフロード車「Audi AI:TRAIL quattro」をフランクフルトモーターショーで公開する。自動運転機能と優れたオフロード性能を併せ持つ電気自動車のコンセプトカーで、ヘリコプターにも似た全周視界を実現している。

Audi AI:TRAIL quattro
ガラス張りのオフ車「Audi AI:TRAIL quattro」

このクルマにはテレビを観たりビデオ会議に参加したりできる大型スクリーンは搭載されていない。その代わりに広大なガラス窓が装備されており、車内から外の景色を思う存分堪能できる。


Audi AI:TRAIL quattro
広大なガラス窓を装備

フロントガラスはヘリコプターのコックピットのように車両のフロント部分を包み込んでおり、乗員は、前方および側方の道や風景を見通せる。また、フロントガラスの上端からリヤスポイラーに至るルーフのほぼ全面もガラス張り。車内からいつでも空と風景を眺めることが可能だ。

Audi AI:TRAIL quattro
フロントだけでなく、ルーフもガラス張り

ドアガラスは下方向に拡大され、車内と車外の区別が取り払われた。乗員は車内から地面を見下ろすこともできる。

Audi AI:TRAIL quattro
サイドのドアガラスは下方向に拡大

観音開きのドアを開いて室内に乗り込むと、EV車らしいシンプルなコックピットが目に入る。中でも興味深いのはステアリングコラムに装着されたスマートフォンだろう。このスマートフォンでは、車両機能の操作とナビゲーションマップの表示が可能だ。

Audi AI:TRAIL quattro
スマートフォンで車両機能を操作
ナビゲーションマップの表示も

リアシートはハンモックに似た斬新なデザイン。外に持ち出して、アウトドアチェアとして利用することもできる。

Audi AI:TRAIL quattro
リアシートはハンモックに似たデザイン

Audi AI:TRAIL quattro
取り外してアウトドアチェアとして利用することも

ヘッドライトでは従来型のロー/ハイビームに替わり、ドローンが合計5台装備されている。「アウディ ライトパス ファインダー」と呼ばれるドローンは「Audi AI:TRAIL」の前方を飛び、装備されたLEDライトで道路を照らし出す。カメラも搭載されており、画像をWi-Fi経由でディスプレイに表示することも。これにより、「アウディ ライトパス ファインダー」は「Audi AI:TRAIL」の「空飛ぶ目」としても機能する。

Audi AI:TRAIL quattro
「アウディ ライトパス ファインダー」がヘッドライトとして機能

パワーユニットには最大システム出力320kW、最大トルク1,000Nmを発揮する4基の電気モーターで構成されている。だがこのクルマではAudi車独特の「胸のすくような加速」などは実現されていない。例えば舗装道における最高速度は130km/hとかなり控えめな設定とされている。パワーユニットはスピードではなく航続距離を長くすることにフォーカスしており、舗装路や整備されたオフロードでは400~500km走行できる。荒れたオフロードでも航続距離の目標値は250kmに設定された。

Audi AI:TRAIL quattro
オフロードでも長距離の走行が可能に

オフロード性能も確保。22インチホイールにより最低地上高は34cmで、水深50cmの浅瀬でも走行できる。荒れた路面でも、フロアに一体化されたバッテリーユニットが地面と接触することなく走行可能となっている。

Audi AI:TRAIL quattro
ドアガラスは下げられないのでは?
すべてはめ殺し?