電動バイクKarmic「OSLO」

自転車もバイクもルーツは同じ。だがその後、自転車は人力で走るために、バイクはガソリンエンジンで走るために適したカタチへと進化していった。

現在では自転車とバイクの境界線は再び薄くなり、動力の主流はモーターに移りつつある。なのに形状はいまも自転車のまま、あるいはバイクのままだ。


「そのカタチ、本当に必要なの?適しているの?」そんな疑問からスタートした電動バイクが「OSLO」。米国シリコンバレーのKarmicが開発している。

電動バイクKarmic「OSLO」
電動時代に適したカタチを求めるバイク「OSLO」

Karmicはすでに2016年には電動アシスト自転車「Koben」と「Kyoto」を発表している。だがこれらはどちらも、既存の自転車のフレームにモーターを装備したものだったとKarmicは自ら述べている。

電動バイクKarmic「OSLO」
Karmicの電動アシスト自転車「Koben」

今回公開された「OSLO」は、完全に一からデザインしたもの。電動モーターでの走行に適したカタチを纏った、新しい乗り物として登場した。

電動バイクKarmic「OSLO」
電動モーターにあった新しいカタチ

タイヤは自転車よりも太くされた。人力走行ではこれはマイナスとなるが、「OSLO」はモーター駆動なので抵抗が増えることは問題にならない。それよりも乗り心地を重視してこのサイズが選ばれた。

電動バイクKarmic「OSLO」
前から見ると、ホンダ「カブ」にちょっと似てる?

サドルは前後に長く柔らかいバナナシート。1950~60年代に米国で流行したビーチクルーザータイプの自転車に装備されていたものだ。その後、欧州からやってきたスポーツ車タイプが自転車主流となるにつれ、バナナシートは廃れ、サドルは高速走行に適した小さいものになっていった。だが電動の「OSLO」では小さなサドルにする必要はない。このバナナシートに座れば、バンプやくぼみがあっても、腰を上げることなく走行を続けられる。

電動バイクKarmic「OSLO」
路面の衝撃を緩和するバナナシート

ケーブル、バッテリー、ギア、チェーンはすべてカバーされ、外からは見えなくなった。自転車ではこのようなカバーは重さ増加の原因となり嫌がられるが、「OSLO」でなら無理な重量減は不要。それよりも外見の美しさを重視している。

バッテリーはスワップタイプ。充電が切れたら引き出して充電し、代わりにフル充電されたバッテリーを装着できる。この作業に必要な時間は30秒。バッテリーが切れてもスムーズに走り出せる。

電動バイクKarmic「OSLO」
バッテリーはシート下に装備
プルハンドルに指をひっかけて簡単に取り出せる

雨天でもしっかり泊まれるディスクブレーキを搭載。ブレーキランプやフロントライトなどももちろん装備されている。

電動バイクKarmic「OSLO」
ライバルは自動車

Karmicは以前の「Koben」と同様に、クラウドファンディングサイトKickstarterで出資者募集のキャンペーンを実施している。このキャンペーンでは、1,499ドルの出資で「OSLO」を1台入手可能だ。出荷時期は2020年6月に予定されている。

さて、現在開発が進められている「OSLO」は、米国仕様車。ペダルが装備されてはいるが、スロットルモードがあり、漕がなくても走行する。Karmicによればこの方がペダルを漕いで走行するのが嫌だという人にもリーチしやすいそうだ。

電動バイクKarmic「OSLO」

日本での販売についてKarmicに問い合わせているが、本稿掲載時までに回答を得ることはできなかった。個人輸入した場合、日本の公道を走行するには保安部品を追加してナンバープレートを取得する必要がある。だがナンバーを取得できるとは限らない点には注意されたい。