クラタスと日米決戦を行った巨大ロボ「MegaBot」、eBayで売られる

ロボット世界一をかけて日本のクラタスと戦った米国MegaBotsの「MegaBot MK.III」(Eagle Prime)が、eBayで販売されています。世界に生中継され、500万人以上が視聴したあの戦いの一方の主役が、オークションサイトで購入できます。

クラタスと日米決戦を行った巨大ロボ「MegaBot」、eBayで売られる
クラタスと戦った巨大ロボ「MegaBot」、eBayで販売中

MegaBotsは、“人が搭乗して操縦するロボット”で一番乗りを目指したメーカー。でも彼らがそれを始めたとき、すでに日本には水道橋重工のクラタスが存在していました。


クラタスと日米決戦を行った巨大ロボ「MegaBot」、eBayで売られる
初期型のMegaBot
できたばかりなのに、サビています

日米ロボット開発競争で日本に一歩リードを許したMegaBotsはこのビハインドを取り返すため、米国代表として水道橋重工に対してロボット対決を申し込みました。日本代表である水道橋重工側がこれを受けて2017年の対決が実現しています。

クラタスと日米決戦を行った巨大ロボ「MegaBot」、eBayで売られる
2017年、敵地に乗り込んだ日本のロボット「クラタス」

「クラタス」との対決後、Megabotsは「MegaBot MK.III」を活用した事業の収益化を目指します。例えば2018年からは、「MegaBot MK.III」に乗ってロボットを動かし、冷蔵庫やソファやクルマを破壊できるツアーをスタートさせました。でも参加費用が少しばかり高かったこともあってか、反応はいまいちだったそう。

クラタスと日米決戦を行った巨大ロボ「MegaBot」、eBayで売られる
巨大ロボ「MegaBot」にタンデム搭乗できるツアー開催

ちなみに、ツアーの参加料金はMegaBotに登場してドリフト走行などを楽しめる「Take-A-Ride」が1,200ドル(約12万9,000円)、武器を使って壊れた冷蔵庫などを破壊する「Crush & Smash」が2,800ドル(約30万円)でした。

クラタスと日米決戦を行った巨大ロボ「MegaBot」、eBayで売られる
30万円は、高いかな…。

Megabotsはその後、カナダのロボットとも対決をしています。でもこの戦いは世間から注目を集めることはできず、動画は公開後最初の2週間で2万5,000回再生されただけに終わりました。

クラタスと日米決戦を行った巨大ロボ「MegaBot」、eBayで売られる
「MegaBot」と対決したカナダのロボット

「MegaBot MK.III」の収益化に失敗したMegaBotは資金繰りが悪化。今回の売却が決定しました。

クラタスと日米決戦を行った巨大ロボ「MegaBot」、eBayで売られる
ショーでは人気があったそうです

出品物の状態は「中古」で、「国家間のロボット対決によって生じたキズやへこみがあちこちにある」、となっています。入札金額は本稿執筆時点で9万1,200ドル(約982万円)に達しています。

クラタスと日米決戦を行った巨大ロボ「MegaBot」、eBayで売られる
現物のインテリア画像

ところでこのロボット。動力となっていたのはなんとシボレー「コルベット」に搭載される6L V3 LS3エンジンだったそう。最高出力430馬力、最大トルク575Nmを発揮するこのエンジンが、高さ3.5メートル、重さ15トンもの「MegaBot MK.III」を動かしていたのだそうです。LS3エンジンはトルクが太いのでロボットに向いていたのかもしれませんが、それでも驚きです。

クラタスと日米決戦を行った巨大ロボ「MegaBot」、eBayで売られる
「MegaBot」に搭載されたものと同型のエンジン

ちなみに、「MegaBot」と対決した「クラタス」はディーゼルエンジンを搭載しており、ナンバーを取得すると公道を走行できます。

クラタスと日米決戦を行った巨大ロボ「MegaBot」、eBayで売られる
公道を走行する「クラタス」(プロトタイプ)

ロボットを買うと思えばちょっと…いや、かなり気が重い。でも中古のシボレー「コルベット」だと思えば、ちょっと買ってみようという気になる方がいらっしゃるのではないでしょうか?そんな気になってしまった方、ぜひeBayをのぞいてみてください。

クラタスと日米決戦を行った巨大ロボ「MegaBot」、eBayで売られる
給油は近所のガソリンステーションで