
「建造(KENZO)」は、武士の甲冑をイメージしてデザインされたバイク。英国のデスマシーンズオブロンドンによるワンオフのカスタムマシンです。

ベースとなったのは1977年式のホンダ「ゴールドウイング GL1000」。40年以上前に製造されたこのマシンに対して英国伝統の工芸技術と最新の技術を投入し、美しいバイクに仕上げられました。
1977年当時のオリジナルパーツには「MADE IN JAPAN」の文字も残っています。

「建造(KENZO)」という名前は、英国のマン島で開催されている「マン島TTレース」に、日本人として初めて参加したライダー多田健蔵氏に対する敬意を表したもの。多田氏は1930年にジュニアTTクラスに出場して15位で完走し、当時の英国人を驚かせた人物です。
「建造(KENZO)」のボディは前述の通り、日本の武士の甲冑からインスピレーションを得てデザインされており、アルミ素材を手作業で加工して作られました。ここからは英国のクラフトマンシップを垣間見ることができます。

一方で、随所に3Dプリンターで製造されたパーツが採用されており、「ゴールドウイング GL1000」が製造された1970年代には存在しなかった最新技術の素晴らしさも感じられます。

フロントから見ると、ダイソンの扇風機のようなデザインになるという工夫も。このあたりの遊び心は素敵だなと思います。

装備では、サスペンションではOhlins製、制動系ではBrembo製が採用されました。ホイールはオリジナルのハブにスポークを張り直した18インチで、AVON製のタイヤが履かされています。


タイヤはAVON製です
価格は5万6,000英ポンド(約790万円)に設定されました。ちょっと…というか、かなり高めですが、ワンオフなので仕方がないのでしょう。

デスマシンズオブロンドンでは、顧客の要求に応じて、Kenzoライクなマシンをビルドしてくれます。「ゴールドウイング」以外のベース車両でビルドして欲しい方、もっと安く仕上げて欲しい方などは、デスマシーンズオブロンドンの公式Webサイトから問い合わせてみてはいかがでしょうか?

(本稿内の画像はデスマシーンズオブロンドンの共同創業者兼デザインディレクターであるJames Hiltonさんより提供を頂きました。Jamesさん、ありがとうございました)