3Dプリンターを活用して製造するEV、XEV「YOYO」

「YOYO」は3Dプリンターを活用して製造するEV。イタリアXEVが開発しています。

3Dプリンターを活用して製造するEV、XEV「YOYO」
3Dプリンターを活用して製造するEV「YOYO」

バッテリーやモーター、ライトなど以外はすべて3Dプリンターで出力したEVというのも最近は目にします。でも、「YOYO」ではシャシーはスチール製。フロントやサイドにはスチール製のビームが入っていて、乗員をがっちり保護しています。エアバッグやABSなども装備されており、一般的なクルマ並みの安全性能を保証しています。


3Dプリンターを活用して製造するEV、XEV「YOYO」
ロールバーも装備されています

3Dプリンターが活躍するのは、シャシー上に搭載される各種コンポーネントとボディ全体を覆うスキン。XEVはこれらの製造に3Dプリンターを活用することで、コストの削減を目指しています。

3Dプリンターを活用して製造するEV、XEV「YOYO」
ドアなども3Dプリンター製

3Dプリンターで製造することでコンポーネントの数を減らし、車重を軽くすることも。これにより、一回の充電で走行できる距離を伸ばせます。

3Dプリンターを活用して製造するEV、XEV「YOYO」
「複数のパーツを組み合わせて使用」→
「3Dプリンターで出力した複雑なカタチのパーツを1個使用」

その他、3Dプリンターでは部品の製造に必要なだけのフィラメントを消費するので、製造時の廃棄物の発生を最小限に抑えられるというメリットも。

また、「YOYO」をベースにしたバリエーションの開発も容易に。「助手席の代わりに、ラゲージを設置して欲しい」といったパーソナライズも可能となります。

3Dプリンターを活用して製造するEV、XEV「YOYO」
様々なバリエーションの製造がいままでよりも簡単に

3Dプリンターを活用して製造するEV、XEV「YOYO」
「ピザ配達用のクルマを1台だけ作って欲しい」にも応えられる

また、販売開始後のデザインなどを含む仕様変更も比較的容易に。外装パーツデザインの一部が流行遅れになってしまったり、内装パーツが使い辛いなどの問題が発覚した際に、速やかな対応ができます。

3Dプリンターを活用して製造するEV、XEV「YOYO」
3Dデータを編集することで、速やかな対応が可能に

搭載されるモーターは最高出力30PSを発揮し、最高速度70km/hでの走行を可能にします。バッテリーはフル充電すると約150kmの走行が可能と、街乗りに徹したスペックが与えられました。

3Dプリンターを活用して製造するEV、XEV「YOYO」
フロア上にバッテリー
画像右の車輪内にハブモーターを搭載

デザイン上の特徴は左右のドア。3Dプリンターで工業製品を出力をする場合には、軽さを維持しながら強度を高めるためにハニカム構造を取ること多いのですが、「YOYO」のドアは八角形。ハニカムモチーフのデザインにより、このクルマが3Dプリンターで製造されたことを表現しています。

3Dプリンターを活用して製造するEV、XEV「YOYO」
八角形のドアで3Dプリンター製造であることを表現

サイズは2.5x1.5メートルの超小型な2人乗り。リアにはわずかなスペースではありますが、荷室も用意されています。車両重量は750kgに抑えられました。

3Dプリンターを活用して製造するEV、XEV「YOYO」
長さはともかく、幅1.5メートルはかなり狭そうですね

出荷は2020年の12月、価格は1万499ユーロ(約126万円)となる予定です。

3Dプリンターを活用して製造するEV、XEV「YOYO」
日本の軽自動車みたいなルックスです