ホンダ「CBR1000RR-R FIREBLADE」がフルモデルチェンジを受け、3月20日に販売開始される。


「CBR1000RR-R FIREBLADE」は、水冷4ストロークDOHC 4バルブ直列4気筒999ccエンジンを搭載する大型スーパースポーツ。「Total Control for the Track ～サーキットで本領発揮するマシン」をコンセプトに、CBRシリーズの最上位モデルとして開発された。



製品ラインナップにはオーリンズ製の電子制御サスペンションやブレンボ製のフロントブレーキキャリパーを採用し、さらにクイックシフターを標準装備した「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」も用意されている。



今回のフルモデルチェンジでは、ホンダのレーシングマシン「RC213V」の技術をフィードバックした、最高出力218PS、最大トルク113Nmを発生する新設計エンジンが搭載された。最高出力218PSを達成するため、「RC213V」と同様にボア・ストロークを81x48.5mmに設定。フリクション低減を狙ったショートストローク化が図られている。


バルブ駆動にはフィンガーフォロワー式のロッカーアームを採用。これによりバルブ系の慣性重量を約75％削減した。ロッカーアームの表面にはDLCコーティングを施して低フリクション化を図り、エンジンの高回転化に寄与した。

カム駆動には、セミカムギアトレインシステムを採用。クランクシャフトに同軸配置したタイミングギアからカムアイドルギアを介してカムチェーンを駆動することでカムチェーン長を短縮。耐久性を確保しながら、高回転、高カムリフトを実現している。


カムシャフトは「RC213V-S」と同様にDLCコーティングを施し、フィンガーフォロワー式のロッカーアームの採用とあわせ、バルブ駆動ロスを削減している。


マフラーはアクラポヴィッチと共同開発されたチタン製が採用された。排気バルブも共同開発され、低回転トルクと高回転出力の両立に貢献している。


フレームボディーには、より高精度な剛性チューニングが可能な薄肉GDC製法が採用された。最低2mmの肉厚で形成されたアルミ製ダイアモンドフレームは、従来モデルと比べ縦剛性が約18％、ねじれ剛性が約9％向上している。


リアサスペンションにはプロリンクを採用。上部をエンジンブロック後部に締結する構造としたことで、フレーム剛性の最適化と軽量化を実現している。


アルミプレス製のスイングアームは従来モデルより30.5mm長い設計。スイングアームの合成バランスを見直すことで、リアタイヤの接地性と優れた旋回性能を追求した


車体姿勢制御システムには、BOSCH製6軸IMUを採用。より正確なピッチングとロール、ヨーの検出が可能となり、従来モデルに比べて車体挙動の制御を高精度なものとした。


様々な走行シチュエーションに応じて選択できるライディングモード「パワー」「Honda セレクタブル トルク コントロール（HSTC）」「セレクタブルエンジンブレーキ」「ウイリー挙動緩和制御」が用意された。「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」では電子制御サスペンションの制御レベルを設定する「OHLINS 第二世代Smart EC」が用意されている。

カラーリングは「CBR1000RR-R FIREBLADE」が「グランプリレッド」と「マットパールモリオンブラック」の2色展開。「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」では「グランプリレッド」1色とされた。


メーカー希望小売価格は「CBR1000RR-R FIREBLADE」が242万円で、「CBR1000RR-R FIREBLADE SP」が278万3,000円。