
研究チームは今年5月、「poimo」のプロトタイプを発表した。このプロトタイプは風船構造を持っており、使わないときには小さく折り畳んで持ち歩き、ポンプで空気を入れることで、乗り物として利用できるという仕組みを持っていた。



今回発表されたニューバージョンはこのプロトタイプの機能性はそのままに、乗る人に合わせたカスタムメイドを可能としている。
従来のパーソナルモビリティは重くて大きいため、使用しないときの可搬性や収納性が良くなかった。また、折りたたんでもかさばるというデメリットも持っていた。だが「poimo」は風船構造で作られているため、不要なときには空気を抜くだけでコンパクトに収納できる。そして必要なときには膨らませて使用するというこれまでにない使い方が可能だ。

これが電動バイク!
これを実現したのは「ドロップスティッチファブリック」と呼ばれる、高い空気圧に耐える高強度の布地。この布地で作られた車体は、人間の体重を支えられる強度を備えていることが実証されたという。また、布地を切り抜いて自由な形で製作することで、カスタムメイドに対応可能となった。
「poimo」の動力は小型ブラシレスモーター。リチウムイオンバッテリーで駆動し、最高速度6km/hで走行できる。バッテリーは1回の充電でおよそ1時間の走行が可能だ。
モーターやバッテリ-、それにハンドルやベアリングなどは風船構造にできない。だが小型・軽量化を行い、折りたたんだ時にかさばらないように工夫したという。この結果、総重量およそ9kgを実現した。
カスタムメイドには研究チームが開発するソフトウェアを使用する。利用者は作りたいバイクをイメージして、椅子などを使ってそれに乗るポーズを取って撮影する。ソフトウェアはその画像から姿勢の3次元情報を抽出し、ユーザーのポーズに合わせた形状・大きさの乗り物を自動的に設計して3次元モデルとして画面に表示する。ユーザーは提案されたデザインを元に、ハンドルや座席の位置などをさらにカスタマイズすることが可能だ。

研究チームは今後、更なる軽量化や操作性の向上、安全性の評価を行なっていくとともに、実用化と普及に向けた実証実験などに取り組むとしている。