ヤマハ「MT-09 ABS」フルモデルチェンジ ― エンジン・フレームを刷新

ヤマハは、ロードスポーツモデル「MT-09 ABS」をフルモデルチェンジし、欧州向けに発売する。2021年春以降には日本での発売を予定している。

ヤマハ「MT-09 ABS」フルモデルチェンジ ― エンジン・フレームを刷新
ヤマハ「MT-09 ABS」フルモデルチェンジ

特徴は、1. 新890ccエンジン、2. 新フレーム、3. 軽量アルミホイール、4. サウンドデザイン、5. 新IMUを活用した各種制御、6.新ボディデザインなど。


ヤマハ「MT-09 ABS」フルモデルチェンジ ― エンジン・フレームを刷新

■ 2021年モデル特徴
1. トルクフルな890ccンジン
新開発の水冷・4ストローク・DOHC・3気筒・4バルブ・ダウンドラフト吸気・FIエンジンを搭載。燃焼室はコンパクトで、素早い燃焼で高いトルクを引き出している。

ヤマハ「MT-09 ABS」フルモデルチェンジ ― エンジン・フレームを刷新
トルクフルな新エンジン

ピストン、コンロッド、クランクシャフト、カムシャフト、クランクケースなど主要パーツの多くを新設計し、軽量に仕上げた。燃料供給系も一新し、優れた燃焼効率を引き出している。こうした燃焼改善と軽量化により、燃費は従来比9%の改善を実現した。

2. 軽量CFアルミダイキャスト製の新フレーム
最低肉厚1.7mmを実現した軽量アルミ製フレームを採用(従来は最低肉厚3.5mm)。リアフレームもCFアルミダイキャスト製とし、スチール製の従来モデル比で1.5kgの軽量化に成功した。

ヤマハ「MT-09 ABS」フルモデルチェンジ ― エンジン・フレームを刷新
軽量CFアルミダイキャスト製の新フレーム

リアアームはアルミパネルを溶接したボックス構造とし、フレームとリアフレーム、リアアーム合算で従来比約2.3kg軽量化。アジャイルな走りの味を洗練させた。

このフレームは直進安定性と操縦性を両立させるために、縦・横・ねじり剛性のバランスを調整しており、とくに横剛性は従来比で約50%アップし、直進安定性に貢献している。

3. SPINFORGED WHEEL技術による軽量アルミホイール
“鋳造ホイールでありながら鍛造ホイールに匹敵する強度と靭性のバランス”を達成したヤマハ独自の“SPINFORGED WHEEL”技術による軽量ホイールを初めて採用。従来モデルより前後で約700g軽くなり、さらにリアの慣性モーメントが11%低減。アジャイルな運動性能に貢献している。

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SPINFORGED WHEEL技術による軽量アルミホイール

4. トルク感と加速感を表現したサウンドデザイン
“排気音”“吸気音”の質が“乗り味”に寄与する重要な要素であることに着目し、排気・吸気を独自に設計・チューニング。トルク感・加速感を演出した。

排気音では1.5段膨張室サイレンサーと左右シンメトリーのテールパイプを採用。発進時はリアの駆動力と同期した排気音によってトルクを感じ、スロットルを開けた瞬間に音が増大して聴こえるような、スイッチ感のあるサウンドが響きわたる。その後、回転上昇に従って、ライダーへの主音源が排気音から吸気音へ切り替わるように調整した。

ヤマハ「MT-09 ABS」フルモデルチェンジ ― エンジン・フレームを刷新
1.5段膨張 左右出しテールパイプのサイレンサー

吸気音では、断面積と長さの異なる3つの吸気ダクトを採用。各ダクトによる吸気音を各周波数帯で共鳴させ、かつ音圧をチューニングすることで中・高回転域でサウンドを強調し、気持ちの良い加速感を演出する。

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エアクリーナーボックス内の3本の吸気ダクトが
心地よいサウンドを奏でる

5. 新IMUを活用した各種制御
新開発の「IMU」を搭載した。2015年モデル以降の「YZF-R1」で実績のある「IMU」の基本性能を維持しつつ、センサー構成を見直すことで50%の小型化、40%の軽量化を実現している。

ヤマハ「MT-09 ABS」フルモデルチェンジ ― エンジン・フレームを刷新
新開発の「IMU」を搭載

この「IMU」の情報を受け取り車両側にフィードバックする「ECU」には3種の制御システムを織り込んでいる。個々の制御は相互に連動して運転操作を支援し、マシンのポテンシャルを効率良く引き出しす。

6. 新ボディデザイン
デザインでは、エアインテークとそこに風を導くフロントウィングのスタイリングに空気の”流れ”や音の”波”などサウンドを想起させるテーマを採用した。ヘッドランプやサイレンサーなど各パーツをエンジンの中心に凝縮させて力強いトルク感を表現している。

また、カバー類を極力減らした“ゼロカバー造形”による、構造体を魅せるスタイリングで、軽量化したボディによる軽快なハンドリングを表現した。

コンパクトでデザイン性に優れ、優れた照射性をもつバイファンクションLEDヘッドランプ(Hi-Lo一体)を採用。照射範囲と範囲外の境目のコントラストが穏やかで柔らかくムラのない配光となっている。ポジションランプも導光体を備えたLEDタイプとし、新しいMTフェイスを印象づける意匠とした。

ヤマハ「MT-09 ABS」フルモデルチェンジ ― エンジン・フレームを刷新

「MT-09 ABS」(欧州仕様車)の主要諸元は次の通り。

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