ビー・エム・ダブリュー(BMW)が提供する総合テレマティクス・サービス「BMW コネクテッド・ドライブ」。BMW 車両に搭載された SIM カードや 3G モバイル通信網を利用した、快適なドライビングをサポートするサービスだ。

9月のサービス開始時には「BMW コネクテッド・ドライブ・スタンダード」として BMW 主要モデルに標準装備され、その後11月にはさらに高機能な「BMW コネクテッド・ドライブ・プレミアム」の提供が開始された。プレミアムのみ有料で、価格は5万9,000円(有効期間は3年間。終了後もサービス利用更新が可能)。

「BMW コネクテッド・ドライブ」ディスプレイ
「BMW コネクテッド・ドライブ」ディスプレイ

今回、実際に「BMW コネクテッド・ドライブ・プレミアム」に触れられる機会を得られたので、その充実したサービス内容を紹介したい。

プレミアムの機能について説明する前に、スタンダードで利用できる2つの機能に触れておこう。まず「BMW テレサービス」では、CBS(コンディション・ベースド・サービス)の情報をもとに、車両のオイル交換、新しいブレーキ・パッドへの交換タイミング、バッテリー電圧のチェックなどを自動的に正規ディーラーへ送信する。ディーラー側でメンテナンスの事前準備ができるため、顧客はスムーズにサービスを受けられるという。

もう1つの「SOS コール」は、事故発生時や事故現場に遭遇した場合に役立つ機能。エアバッグが展開するような深刻な事故が発生した際、専用の電話回線を経由し、BMW の SOS コールセンターに信号が発信される。コールセンター側で、SIM カードによる位置情報を基に救急・消防に連絡し、衝突の状況、乗員数、モデル名、ボディ・カラーなどの救急機関が必要とするデータを伝達してくれるという。なお、事故現場に遭遇した場合などには、フロントミラーの手前に取り付けられた蓋付きのスイッチを押すことで、手動で「SOS コール」を利用できる。

「SOS コール」、緊急時に蓋を開けてスイッチを押す
「SOS コール」、緊急時に蓋を開けてスイッチを押す

プレミアムに契約することにより、前述した2機能に加えて様々な機能を利用できるようになる。とりわけ特徴的なのが、専用コールセンターのオペレーターが24時間365日、運転中のドライバーに代わってさまざまな情報を調べてくれるサービス「BMW ドライバー・サポート・デスク」。iDrive コントローラーの操作によって車両とコールセンターの通話が始まり、運転しながらハンズフリーで会話できる。

iDrive コントローラー
iDrive コントローラー

このサービスで調べてもらえることは、車両の現在位置をベースとした目的地までの道のりや、特定の飲食店などのロケーションなどが主となるが、「特別な日を演出する“穴場のレストラン”を知りたい」などの具体的なリクエストにも可能な限り対応してくれるという。まさに“コンシェルジュ”のように利用できる、至れり尽くせりなサービスだ。

BMW が提供するアプリ「BMW Connected」「My BMW Remote」との連携機能もプレミアム限定での利用となる。

「BMW Connected」では、アプリをスマートフォンにインストールし、車両に接続すると、各種コンテンツを iDrive 経由で操作できる。例えば、テキスト読み上げ機能を利用して Facebook や Twitter の投稿を運転中にチェックしたり、スマートフォンに登録したカレンダーの予定をコントロールディスプレイに表示したりすることが可能だ。

アームレスト内に USB 端子 が備え付けられている
アームレスト内に USB 端子 が備え付けられている

もう1つの「My BMW Remote」は、車載システムを車外から遠隔操作できる“クルマのリモコン”のようなアプリ。暑い時季に車外から空調を起動させたり、うっかりドアをロックし忘れた時にアプリからロックできる(アンロックも可能)。また、夜間に広い駐車場で車両が見つからないときなどにはヘッドライトを点滅させて位置を確認できるほか、半径 1.5km 圏内に駐車した車両であればアプリの地図上からチェックできる。

まるで“クルマのリモコン”のようだ
まるで“クルマのリモコン”のようだ

各アプリの対応 OS は、「BMW Connected」が iOS、「My BMW Remote」が iOS/Android(2013年12月現在)。なお、アプリの設定(SNS アカウントなど)はオーナー自身で行うことが可能。

プレミアムではこのほか、ダッシュボードに備え付けられたディスプレイ上でも、プレミアム限定機能としてニュースや天気予報の閲覧、オンライン検索などを行うことができる。各種コンテンツは NAVITIME から提供されており、ニュースはカテゴリ別、天気予報は現在地・エリア別にチェック可能。もちろん、音声読み上げにも対応している。

また、PC・スマートフォンなどで調べた地図情報を送信し、ナビゲーションの目的地に設定することもできる。それとは逆に、車両からスマートフォンに現在地をメールで通知することも可能だ。

運転中は音声でニュースチェック
運転中は音声でニュースチェック

取材に立ち会ってくれた BMW 担当者によると、「BMW コネクテッド・ドライブ」の提供目的は「ドライバーが考える運転以外の“煩わしいこと”を取り除くこと」。クルマにまつわる“もし何かあったら…”という全ての心配を無くしたいという。

「アプリと連携することで鍵を紛失する不安が軽減され、事故発生時には慌てていてもワンタッチで連絡が済みます。また、スマートフォンなどで情報を得るためにわざわざ停車しなくても済むよう、ハンズフリーで話せるコンシェルジュも用意しました」(担当者)。

東京モーターショーなどで各社のクルマを見てみると、エクステリアのデザインだけでなく機能面でも、昔夢見ていた“未来のクルマ”に近づいているように思える。BMW が目指す“運転の快適さ”、それらの機能はどのように進化していくのだろうか――今後ますます目が離せない。

(この記事は、弊社姉妹サイト インターネットコムに2013年12月9日に掲載された記事を再掲したものです。)